当社は、昭和58年に私の父が創業し、切削加工を主とした精密金属部品などの製造を手がけている金属加工業です。
私は、平成21年に亡くなった父の跡を継いだ二代目です。もともとは会社勤めをしていましたので、経営のことは全く知らないズブの素人でした。
しかし、父が創業した(私の実家でもある)この会社をつぶしたくないとの思いから必死で頑張ってきました。ただ、その思いもリーマンショックで空回り。長年勤務していたベテラン男性社員が相次いで退職し、5人いた社員は2人に減ってしまいました。また、借入金の返済もあり、会社の経営は非常に厳しい状況になっていました。そんな中、信用保証協会さんから鳥取商工会議所さんをご紹介いただき、現在までお付き合いが続いています。同時に厳しかった当社の経営も懇切丁寧でかつ親身なアドバイスのおかげで持ち直し、今日に至っています。
商工会議所における当社の第一歩は窓口相談でした。現在、ご担当いただいている清水さんの上司にあたる林さんと面談し、当社の状況を伝えるとともに、商工会議所の経営支援メニューをいろいろと教えていただきました。その後、担当が清水さんに決まり、26年6月には「とっとり企業支援ネットワーク※」の支援案件として、地元金融機関、政府系金融機関、信用保証協会、鳥取商工会議所の4者による支援を決定いただきました。4者の中で鳥取商工会議所さんにはリーダー機関として事業継続の危機にあった当社の経営に積極的に関与していただきました。清水さんとは、時にぶつかり合い、その一方で励ましていただくなどを繰り返しながら、当社の事業継続にご支援をいただきました。今でも、時折立ち寄っていただきますが、当時のことを笑って話せる関係が続いています。
商工会議所は、どうしても堅いイメージがつきまといますが、実際はそんなことはなく「小規模事業者の応援団」としてなくてはならない存在だと思います。
※鳥取県独自の制度で県内の20支援機関がそれそれの強みを生かし、連携して個別企業支援にあたるもの URLhttp://www.pref.tottori.lg.jp/tcsnw/
担当者からひと言
ご相談は最寄りの商工会議所までお気軽にどうぞ!
「とっとり企業支援ネットワーク」で支援を決定したときの同社は、事業継続が危ぶまれる状況でした。私自身、ぜひ事業を続けてもらいたいとの一心から厳しい指摘を行ったこともありました。また、益山社長もお父さまが創業された会社をつぶしたくないという強い気持ちを持っておられたので、「事業継続」という共通の目的に一体となって取り組みました。
具体的には、借入金の返済方法の再見直しや新規事業参入に対する可能性評価、収益力向上計画の作成・実行などでしたが、益山社長の頑張りで全てクリア。現在では新分野(医療系分野)への展開も図るなど、伴走支援の効果が出始めています。 当所では、今後も事業者に寄り添った支援を続けていきます。
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