私は大学卒業後、東京の証券会社で7年間勤務し、MBA(経営学修士)も取得。「ある程度、経験を積んだ今の自分なら北見に貢献できる」と考え、3年前に帰郷しました。
北見に戻ってきて、あらためて感じたのが、「せっかくいいものを持っているのに生かせていない」ということ。例えば、北見は「焼き肉のまち」なのですが、これをうまく域外へPRできていないのです。これは地方都市全般に言えることなのかもしれませんが、本来持っている力を最大限発揮できていないわけです。私は、その現状を見て北見のポテンシャルを最大化するための仕事がしたいと考え、創業しました。
当社の事業内容はマーケティングのコンサルティングです。主なテーマは、地域資源の高付加価値化と、地域産業インフラの整備。地域の一次産品のブランディング、中心市街地の活性化、人材育成といった産業の高付加価値化につながる幅広いものを対象にしています。
今年1月からは、中心市街地の空き店舗を活用したコワーキングスペース「TAYUMANU」をオープンしました。中心市街地の活性化と同時に、地域における産業人材の育成、起業家のサポートをしています。
商工会議所へ最初に行ったのは、〝地域〟を対象に仕事をするに当たり、意見をもらうため。具体的には北見の焼き肉に関する事業の相談です。正直言って、創業したばかりの私が他の事業者を巻き込んで事業を進めていくことはハードルが高かったのです。でも、商工会議所に相談しながら企画を進め、今年の夏、北見の焼き肉文化を発信する委員会を設立できました。また、「TAYUMANU」の設備を拡充する際もピンポイントで、支援メニューをご紹介いただき、大変助かりました。
当社と商工会議所は地域のために、同じ方向を向いています。これまで以上にうまく連携して、より良い支援体制を構築し、将来的には、北見から上場企業を出したいですね。
担当者からひと言
ご相談は最寄りの商工会議所までお気軽にどうぞ!
西野さんが取り組まれている「地域資源に関する取り組み」は、商工会議所が長年取り組んでいることと方向性を同じくするもの。当所としても引き続き、取り組んでいきますし、うまく力を合わせて、より良いものを生み出していきたいと思います。
また、「TAYUMANU」の設備は持続化補助金を活用できました。これからも西野さんの意欲と可能性を引き出すために、きめ細かな支援をしていきます。
西野さんは若く、意欲にあふれる人です。地元の祭りの運営などにも積極的に参加いただいています。そうした経験を通じて、いろいろなものを吸収してほしい。そして、将来は北見を代表する事業者に育ってほしいと思います。
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