容器包装のリサイクルを知る Vol.3 再生利用の国内循環

PETボトルを砕いた「フレーク」

今回は、PETボトル、ガラスびん、紙製容器包装のリサイクルをご紹介します。

まずは、PETボトルのリサイクル状況から説明します。日本全体のPETボトル生産量は、年間約60万tです。そのうち、家庭から排出される約30万tが、市町村によって収集されます。残りの約30万tは、事業系の一般廃棄物として、事業者が処理します。容リ法の基本方針には、「容リ協会への円滑な引き渡し」が明記されていますが、市町村が収集する30万tのうち20万tしか容リ協会に引き渡されていません。

引き渡されたPETボトルは、リサイクラーの工場で異物除去、洗浄、破砕などを行い、フレーク(PETボトルを細かく砕いたもの)やペレット(フレークを熱して、さらに不純物を除去したもの)となります。リサイクル製品の利用用途の割合を見ると、自動車内装材、インテリア・寝具、衣類などの繊維製品に約45%、卵パック、青果物トレーなどのシート製品が約40%、飲料用ボトル、洗剤・日用品用ボトルが約10%となって国内循環されています。また、消費者が分別排出する際に、PETボトルに付いているキャップとラベルを外して排出すれば、より品質の良い再生利用をすることができます。

次に、ガラスびんのリサイクルです。日本全体で、年間約80万tのガラスびんが家庭から排出され、市町村により収集されます。そのうち、約35万tが無色・茶色・その他の色に選別されて、容リ協会に引き渡されます。一方、残りの約45万tは、地元業者などが独自にリサイクルしています。ガラスびんは、容リ法施行前からリサイクルルートが構築されていたため、独自処理の割合が高くなっているのです。

容リ協会に引き渡されたガラスびんは、リサイクラーの工場で異物除去、破砕などを行い、カレット(ガラスびんを細かく砕いたもの)となって、無色・茶色のカレットは、約97%が再びガラスびんの原料となります。その他の色のカレットについても約30%は無色・茶色と同じように再びガラスびんの原料となりますが、約70%はグラスウール(住宅用断熱材)や水はけの良い道路材料などに利用されています。

最後に、紙製容器包装のリサイクルについてです。日本全体の段ボール・新聞紙・雑誌・雑紙などの古紙の収集量は、年間約2200万tです。紙製容器包装としての分別区分では、年間約9万tの紙製容器包装が家庭から排出されており、市町村が収集した後、そのうち約2・5万tが容リ協会に引き渡されています。この量は、古紙全体の収集量の0・1%という状況です。容リ協に引き渡された紙製容器包装は、リサイクラーの工場で異物除去、選別などを行います。約95%は紙の原料に生まれ変わり、残り約5%は製紙会社などで固形燃料として利用されるのです。

次回は最終回です。当協会の取り組みと、現在、経済産業省・環境省の合同会合で議論されている容器包装リサイクル制度の見直しに関する審議内容をご紹介します。

清水健太郎・日本容器包装リサイクル協会企画広報部課長補佐

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