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コラム石垣 2020年10月1日号 丁野朗

東京都を除外する異例の形で始まった「GO TOトラベル」。その成果や問題点を巡ってはいまだに議論もある。しかし、このキャンペーンの背後で、コロナ禍に立ち向かい、地域の事業モデル転換に向けた新たな取り組みを支援する制度が動いていることはあまり知られていない。

▼観光庁が今年6月創設・募集を開始した「魅力的な滞在コンテンツ造成に向けた実証調査」事業である。今や全国の歴史ある祭りや花火大会、文化イベントやスポーツ大会などはことごとく中止となり、訪日客はもとより、大都市圏など遠方からの観光客が途絶えた地域。多くの事業者は先行きに大きな不安を抱えている。この支援制度は「調査」の名前は付いているが、実態はコロナ禍における新たな事業モデルの構築とその実践を促すものである。本事業の1次募集には全国から2千件近い応募があった。それだけ地域は切羽詰まっている証拠でもある。本稿が活字になる頃には審査結果も公表され、2次募集の渦中にあるものと思われる。

▼リモート観光と物販を組み合わせて将来の需要を喚起する、スマートフォンアプリなどを活用して分散型観光を誘導、集中的な祭りやイベントを小規模分散型の事業モデルに組み替える、自然・アウトドアなど密にならない環境を逆手に取った事業、ワーケーションなど新しいライフスタイルに対応する環境とプログラムの整備、早朝・夜間などの密にならない時間帯を活用するプログラムなどなど。誠に多様である。

▼かなりの長期間が予想されるコロナ禍の今、地域は大きな試練に立たされているがチャンスでもある。異日常の中の新たな日常をどう構築するか。大いに期待したい。

(東洋大学大学院国際観光学部客員教授・丁野朗)

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