日本商工会議所はこのほど、日商簿記検定試験の2級と3級について、年3回(6月、11月、2月)の統一試験日にペーパーで行う従来の試験方式(統一試験方式)に加えて、随時施行が可能なネット試験方式(CBT方式)でも実施することを決定した。
本年6月施行の第155回検定は、新型コロナウイルス感染症の拡大により、同検定創設以来初の中止となった。11月ならびに2021年2月施行の検定は、現時点では感染症予防対策を講じつつ実施予定だが、感染症の収束がいまだ見通せず、また試験会場の確保が困難な状況が続いている。さらに、コロナ禍において、在宅での勤務・学習の普及や、授業・研修の集合形式からWeb配信形式への移行など、IT利活用による「新たな働き方」「新たな生活様式」が求められている。
こうした状況を受け、日商では各種感染症の拡大や大規模自然災害などが発生しても、継続的・安定的に試験が実施できる体制を構築するとともに、社会変化に対応したIT化・デジタル化を基盤とする新たな試験実施の仕組みを取り入れることにした。統一試験の補完的位置付けとして、2級と3級にネット試験方式を導入し、統一試験方式と併用していく。
業務の都合や学習の到達度に合わせた随時受験が可能となることから、受験者のみならず、企業・教育機関にとっても同検定活用の利便性の向上が期待できる。
9月24日に開催した教育機関や出版社向け説明会には、リアルとオンラインを合わせて750人が参加、関心の高さを示した。
ネット試験方式による同検定は、12月中をめどに開始する予定。商工会議所が認定した全国100カ所(9月現在)に設置された「テストセンター」で受験できる(自宅での受験は不可)。実施から採点、合否判定、デジタル合格証の交付までインターネット上で行う。
詳細は、https://www.kentei.ne.jp/31498を参照。