日本商工会議所が各地商工会議所の協力の下に取り扱っている「ビジネス総合保険制度」の加入件数がこのほど、6万件を超えた。「業務災害補償プラン」の加入件数も9万件を突破し、順調に推移している。
ビジネス総合保険制度は事業活動での賠償や事業休業、財物損壊リスクを総合的に補償するもの。加入件数は、7月計上分で6万5107件となった。
同制度は、賠償責任(PL賠償、リコール、情報漏えい、サイバー、施設、業務遂行など)リスクや事業休業、財産・工事に関わる補償の漏れ・ダブリを解消し、一本化して加入できる。火災、風災、水災、雪災、地震など、災害に遭った際の休業損失を補償するため、災害による休業時の資金確保が可能になる。情報漏えいに加え、サイバー攻撃の際の対応費用も補償され、サイバーリスクにも備えられる。また、保健所の指示による新型コロナウイルスの消毒費用および消毒などに伴う営業休止にかかる損失も対象になるので、新型コロナウイルスのリスク対策にもなる。
「補償内容の重複や漏れがないか心配」「保険ごとの契約手続きが面倒」といった保険に関する不安や疑問を解決できる内容だ。
そして労災事故と企業の賠償リスクに備える、業務災害補償プラン。加入件数は、7月計上分で9万1278件だ。
同プランは、従来型の負傷型労災(従業員の業務中のケガ)の補償および労働災害の責任が企業にあると法律上判断された(例えば安全配慮義務違反を問われたなど)場合に発生する企業の損害賠償責任(賠償金の支払いなど事業者負担の費用)を補償するもの。特徴は、①パートやアルバイトを含む全従業員を包括する「雇用形態にかかわらず補償」、②従業員のケガと企業の賠償リスクにダブルで対応、③政府労災で認定された業務・通勤による精神障害、脳・心疾患などの疾病(新型コロナウイルス含む)や自殺(※)など「幅広いパターンを補償」、④派遣、委託作業者のほか、下請負人も含む「社内・社外にかかわらず補償」となっている。
※政府労災保険の認定を受けた際に上乗せ補償を受けるプラン・特約に加入している場合。厚生労働省ホームページによれば、労働者が新型コロナウイルス感染症を発症した場合、業務または通勤に起因と認められれば、労災保険給付の対象となる。労災保険給付の詳細は、労働基準監督署に確認を。
さらに、⑤オプションで天災によるケガにも対応、⑥政府労災の支給を待たずに保険金を受け取れる「スピーディーな保険金の受け取りが可能」(ただし、精神疾患、脳疾患、心疾患などは政府労災の給付が決定された場合に支払う。使用者賠償責任については政府労災の決定を待つ場合がある)、⑦パワハラ、セクハラによる事業者、役員、使用人の法律上の賠償責任を対象とする、⑧役員個人の賠償責任も補償、⑨日本健康会議による「健康経営優良法人」に認定された事業者に対し、通常の割引後にさらに5%の上乗せ割引を適用する。
また、ホームページで、上乗せ労災の必要性やパワーハラスメントなどの従業員の労務トラブルについて、簡単なアニメを交えた同プランの紹介動画を公開している。
詳細は、https://hoken.jcci.or.jp/を参照。
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