伝えていきたい日本の技 さくら染め

和の衣さとう(岩手県北上市)

桜の色を残すため、染料に漬ける時間に細心の注意を払い、薄手のものから厚手のものまでむらなく染め上げます(撮影:加藤正博)

今月は、淡い桜色が春の息吹を感じさせる『さくら染め』の小物をご紹介します。

北上市内にある公園で展勝地は、約一万本の桜で知られ、「みちのく三大桜名所」のひとつにも数えられています。この桜を生かした草木染めに取り組んでいるのが悉皆屋(しっかいや)(染め物、染め返し、洗い張りなどを請け負う店)の『和の衣さとう』です。

かつて北上市極楽寺で行われていた草木染めの基本的な技法に忠実に従い、桜本来の色が出るよう一枚一枚手作業で染め上げています。ショールやハンカチなどさまざまなものを染める技術だけでなく、ほんのりと桜が香る商品を開発するなどバリエーションの展開にも力を入れています。

さくら染めは、地元の新たな工芸品として認められつつあります。このことをきっかけとして全国から展勝地にも足を運んでもらえたらと、いわて特産品コンクールや全国観光土産品連盟主催の審査会などに出品し、高い評価を得ています。

※月刊石垣2018年3月号に掲載された記事です。

次の記事

伝えていきたい日本の技 ビーズ刺繍のハンドバッグ

柏ビーズ

今月は、つややかなきらめきが魅力的な、ビーズ刺繍(ししゅう)のハンドバッグをご紹介します。ビーズ細工の歴史は古く、古代エジプトにまでさかの...

前の記事

伝えていきたい日本の技 組子

タニハタ

今月は、幾何学模様が美しい伝統工芸『組子』をご紹介します。小さく切り出した木片を釘(くぎ)を使わず組み付けていく組子細工は、飛鳥時代に建て...

関連記事

伝えていきたい日本の技 アイスエナジー 無料会員限定

アトム技研

今月は、機能性が高くファッショナブルな保冷剤として注目される、アイスエナジーをご紹介します。熱中症が世界中で問題となっている昨今、衛生的...

伝えていきたい日本の技 籠染灯籠

ハナブサデザイン

今月は、越谷市に伝わる藍染め技法の一つである籠染めの「型」を用いた灯籠をご紹介します。籠染めとは、筒状にした2本の真鍮(しんちゅう)製の型の...

伝えていきたい日本の技 廣島漆器『coro』

高山清

広島県の伝統工芸品である広島仏壇の技術に端を発する「廣島漆器」の酒器をご紹介します。廣島漆器は、広島仏壇の制作や修繕を行う漆塗り職人であ...