突然、『VUCA(ブーカ)』の時代となりました。
『VUCA』とは、変動性(VOLATILITY)、不確実性(UNCERTAINTY)複雑性(COMPLEXITY)、曖昧性(AMBIGUITY)の頭文字を並べた言葉です。私は2019年に、この言葉を知りましたが、新型コロナウイルス感染症の世界的流行により、その訪れを実感して、11月号でもお話しさせていただきました。
今回はその時代に生きる我々に必要なスキル、仮説思考、自己改革力、ネットワーク構築力について説明したいと思います。
例えば、近年業績があがらない商店が、私にコンサルティングを依頼してきたとします。
コンサルティングとは、自分の経験を根拠として、目標を達成するための仮説を立て、それを具現化する仕事です。私はレイアウト、品揃え、目玉商品、広告、ポップなどを指導します。その際、さまざまな問題や抵抗があります。私はそれには反対しませんが、世の中が変わったのだから変えるしかないという事実は、経営者は分かっています。
仮説に基づいて変える、というのは容易ではありません。自力でやるのが難しい場合、他者の仮説を参考にしたり、若手の意見を広く聞いて参考にしたりするのも良いかもしれません。
『VUCA』の時代は長引きます。新しい流れを勉強して自己変革し、ネットワークを構築してください。これまでと異なるネットワークを構築しないと時代に適応できなくなります。
そしてコロナ禍の後に訪れる『new normal』の仮説を立て、それに向かって突き進むのです。
コロナの問題が大きくなり始めた頃、私はあるアパレル企業に「高級な部屋着をつくったら売れるよ」と、直感的指導をしました。1着5万円以上する服しか売らない洋品店が、高級とはいえ単価の安い部屋着を販売しても数字が伸びないのでは、というスタッフの意見もあったようですが、他に売り上げの立つ見込みがなかったので、「何かをやらないと……」と、上下で2万円弱の部屋着を準備して販売したところ、大反響でした。一人が数着買うので、結局客単価は下がらず前年と同等の売り上げを確保できているそうです。家族や親しい人にしか見られることのない部屋着ですが、その人たちに好評であれば、このシリーズは当分売れ続けるでしょう。
早期に『new normal』を見出した一例ですが、あなたの『new normal』は何になるでしょう。戦後の焼け野原ほどではないですが、新しいビジネスが必要とされるチャンスに満ちた時代が目の前に広がっています。ただ、今回は単純ではありません。仮説思考、自己改革力、ネットワーク構築力について、まず向き合ってみてください。
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担当:髙橋
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