弘前商工会議所(青森県)と県、弘前市、県アパレル工業会でつくる実行委員会が毎年開催している「全国高等学校ファッションデザイン選手権大会(通称ファッション甲子園)」が2月12日、「第25回ふるさとイベント大賞」(地域活性化センター主催)で「大賞」に次ぐ「最優秀賞」(総務大臣表彰)を受賞した。同賞は優れた地域活性化イベントを表彰するもので、1996年から実施。今回は125件の応募から8件が受賞した。
ファッション甲子園は、21世紀のファッション業界を担う人材の発掘と高校生の夢の創造を目的に、県の事業として2000年にスタート。04年に同所や市、県アパレル工業会が加わって実行委員会を組織し、以後は同所が事務局を務め、今日まで継続している。
同選手権は、毎年春に同一高校の生徒2人と教員1人を1チームとして、デザイン画を募集。1次審査を通過したチームは、8月に公開ファッションショー形式で行う最終審査で実際の作品を着用し競う。審査基準は「みずみずしい感性」で、優勝者には奨学金と、副賞としてファッションに関する研修旅行が贈られる。
20回目となる20年大会は、新型コロナウイルス感染症の影響で中止となったが、19年大会では123校1633チーム、2771点のデザイン画の応募があり、34作品(27都道府県33校34点)が1次審査で選出された。近年は、ファッション業界を目指す高校生の登竜門として認知度が高まり、服飾・デザインを専攻する生徒にとどまらず、普通高校や農業高校、特別支援学校の生徒も参加している。
今回のふるさとイベント大賞受賞は、高校生の創造力やデザイン力の向上、チャレンジ精神の育成に大きく寄与していること、ファッション業界から支持され、その人脈を生かしたアパレル業界活性化につながる取り組みが展開されていることなどが評価された。
同賞の授賞式は3月4日、感染予防対策のためオンラインで開催。参加した同実行委員会の今井高志会長(同所会頭)は受賞の言葉で「弘前は縫製工場が集積するファッションの産地。今後も若い感性を発揮する場を提供したい」と述べた。
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