厚生労働省はこのほど、日本で就職を希望する外国人留学生の国内就職を促進するために開発した研修のモデルカリキュラムを公表した。外国人留学生が日本の企業文化や価値観・雇用慣行などへの理解を深め、国内就職率が向上するよう、大学のキャリアセンター、地方公共団体など関係各方面でカリキュラムの活用を進めていく。
外国人留学生の国内就職率は、留学生の65%が日本国内での就職を希望しているのに対し、37%にとどまっている。その原因の一つに挙げられているのが、日本特有の就職活動に関する情報不足だ。同カリキュラムは、こうした情報不足を解消し、留学生が日本の企業文化・価値観・雇用慣行などへの理解を深めるとともに、国内での就職を促進するために開発。大学のキャリアセンター、地方公共団体など関係各方面、同省が設置する外国人雇用サービスセンター(東京、名古屋、大阪、福岡)などで、カリキュラムによる研修を順次実施する。
モデル研修は、「就職活動準備コース(大学1・2年生対象)」と「就職活動・内定後コース(大学3・4年生対象)」の2コース。前者は日本での就職活動の進め方や外国人が日本企業で活躍する事例を紹介し、就職活動の準備・自覚を促す内容、後者は就職活動のテクニックなど実際の就職活動に役立つ情報を提供するとともに、職場文化の理解を促し、入社後の定着を目指す内容となっている。
カリキュラムには学習到達目標や詳細な講義内容に加え、指導方法、ティーチングポイントを記載したほか、学習到達度の確認方法や参考文献も記載。外国人の職場の悩みや疑問、その解決の糸口について、豊富な事例と共に紹介している。
また、外国人労働者の人事・労務支援ツールとして「外国人と働く職場の労務管理に使えるポイント・例文集」「雇用管理に役立つ多言語用語集」「モデル就業規則やさしい日本語版」の三つも用意した。
研修カリキュラムの詳細は、https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_18404.htmlを参照。
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