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パラリンピックのチカラ File 23 磨いてきたテクニックと培ったチームワークで世界の壁に立ち向かう!

西家 道代 (にしいえ・みちよ)

1967年3月12日兵庫県生まれ。左足前十字靭帯損傷による左足機能全廃。コスモトレードアンドサービス所属

「ジャカルタ2018アジアパラ競技大会」の日本対イラン戦で、レシーブする西家道代選手 撮影:吉村もと

コロナ禍や1年延期という前例のない状況を経て、開幕が近づく東京パラリンピック。実施22競技中、シッティングバレーボールは下肢に障がいのある選手を対象とし、床にお尻をつけた状態で行う6人制のバレーボールだ。ルールは一般のバレーボールとほぼ同じだが、コートは小さく、ネットも低い分、ボールの展開がスピーディーで緊迫感も高い。

日本は開催国枠があり、男子は3大会ぶり4回目、女子は2大会ぶり3回目の出場となる。西家道代選手は2012年ロンドン大会に続き、女子主将として大舞台に臨む。小学6年生でバレーボールを始め、社会人以降はクラブチームで全国大会出場経験も。だが03年、試合中に左足をけがして手術を受け、まひが残った。09年にシッティングバレーボールと出合い、すぐに日本代表に選出。以来、高いテクニックと強いキャプテンシーで、チームを率いてきた。

ジャンプできないという競技の特性上、体格がものをいうが、海外勢に比べて小柄な日本は俊敏性やコンビネーション、粘り強さを磨いてきた。厳しいコースに落とす西家選手のサーブも武器に、上位進出を狙う。

東京パラリンピックの見どころ

さて、日本代表選手は7月21日の第三次発表時点で、22競技252人。競技パートナーやコーチ、役員らを含めた選手団は最終的に約450人になる見込みで過去最多だ。

練習環境が制限され、モチベーション維持も難しかった中、工夫しながら練習を重ね、自己記録を伸ばした選手や世界ランキング上位を守る団体競技も多い。選手団主将を務める車いすテニスの国枝慎吾選手は、「一人一人が最高峰の場で全力を尽くすべく準備してきた。コロナ禍でさまざまな制約があることを理解し順守して試合に臨み、大会が成功するよう選手一同頑張ります」と決意を述べた。5大会連続出場となる自らも、12年ロンドン大会以来のシングルス金メダルの奪還を目指す。

全盲のレジェンドスイマーで、選手団をまとめる河合純一団長は、「パラリンピックは人間の可能性の祭典だ」と話す。選手たちのパフォーマンスを通して、「パラリンピックのチカラ」を、ぜひ感じてほしい。

シッティングバレーボール

スピーディーに行き交うボールを追って、お尻で滑るように縦横無尽!

下肢障がいを対象とし、床に座った状態で行う6人制バレーボール。床から臀部が離れると反則(リフティング)になる。一般のバレーボールと共通するルールも多いが、コートは小さく(縦10m×横6m)、ネットは低い(女子1m05、男子1m15)。サーブブロックも認められる。スピーディーな試合展開の中、長いラリーや緻密な駆け引きも見どころ。

競技紹介 https://olympics.com/tokyo-2020/ja/paralympics/sports/sitting-volleyball/

星野 恭子(ほしの・きょうこ) スポーツライター http://hoshinokyoko.com/

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