中小企業庁はこのほど、円滑な事業承継に向けた対応策や支援体制強化の方向などを示した「事業承継ガイドライン」の改訂に向け、検討会を設置した。改訂は、2016年度以来、5年ぶり。前回改訂以降の支援策の充実やコロナ禍の影響など中小企業を取り巻く最近の状況を踏まえ、経営環境に考慮した事業承継推進を目指す。
ガイドラインは、事業承継への計画的な準備を促すことなどを目的に06年に策定。前回改訂後も法人版事業承継税制の抜本拡充や個人版事業承継税制の創設、事業承継・引継ぎ補助金の拡充、中小M&Aガイドラインの策定をはじめとする支援策も充実させている。 一方で、中小企業の後継者不在率は引き続き高い割合で推移し、コロナ禍で廃業件数は20年に過去最多を更新。事業承継の時期を後ろ倒しする中小企業も増えている。
検討会では、事業承継の現状を踏まえ、各種支援策の効果、実務慣行の変化や外部環境の動向による影響を検証。各種支援策の活用をさらに促すため、内容を追加、充実させる。
また、中小企業のM&Aにおける望ましいPMI(買収後の経営統合作業)の在り方などを示すため、検討会の下に中小PMIガイドライン策定小委員会(仮称)を設置。いずれのガイドラインも22年3月の改訂、策定を目指す。
最新号を紙面で読める!