政府はこのほど、「デジタル田園都市国家構想実現会議」の第1回会合を開催した。デジタル田園都市国家構想は、岸田首相が「新しい資本主義」実現に向けた成長戦略の最も重要な柱と位置付け、地方からデジタルの実装を進め、都市間格差の解消と地域活性化を目指すもの。年内にも当面の具体的施策と中長期に取り組むべき施策の全体像を取りまとめる。
会議に出席した岸田首相は、「構想実現のため、時代を先取るデジタル基盤を公共インフラとして整備するとともに、これを活用した地方のデジタル実装について、政策を総動員して支援する」と表明した。具体的には、「自治体クラウドや5G、データセンターなどのデジタル基盤の整備」「遠隔医療、教育、防災、リモートワークなどの地方の先導的なデジタル化の取り組み支援」「地方創生交付金に加え、今回の経済対策で新設するデジタル田園都市国家構想推進交付金の活用」「デジタル臨時行政調査会、GIGAスクール(児童生徒1人1台PC)、スーパーシティ構想、スマート農業の成果の活用」「デジタル推進委員の全国展開」の5点を強調。デジタル田園都市国家構想の具体化に向け、政府全体として取り組むよう関係閣僚らに指示をしている。
若宮健嗣デジタル田園都市国家構想担当大臣は、今後の論点として、「地方の課題を解決するためのデジタル実装」「デジタル人材の育成・確保」「地方を支えるデジタル基盤の整備」「誰一人取り残さない社会の実現」の4点を提示(図参照)。地方の課題解決に向け、地方創生テレワークの推進、ビッグデータの活用による新産業の創出やスマート農業推進による成長産業化、MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)の推進やドローンの活用などによる交通・物流の確保、スーパーシティ構想の早期実現などを検討する考えを示した。
地域で活躍するデジタル人材の育成・確保に向けては、地方大学、高等専門学校などを中核とした先端的人材の好循環の確立などの具体策を提示。地方を支えるデジタル基盤の整備については、5G、データセンター、Wi-Fiなど、世界最高水準のハードウエアインフラ整備を加速させる考えを表明した。
詳細は、https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digital_denen/dai1/gijisidai.htmlを参照。
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