日本商工会議所と那覇商工会議所は12月6、7の両日、「全国商工会議所観光振興大会2021 ㏌ おきなわ那覇」を初めてオンライン形式で開催した。大会には、全国185商工会議所、連合会などから約700人が参加。初日に四つのテーマで分科会を開催したほか、2日目の全体会議では、日本総合研究所主席研究員の藻谷浩介氏による基調講演、パネルディスカッションも実施し、大会の総括として「おきなわ那覇アピール」を全会一致で採択した。
初日の分科会は、「観光危機管理」「これからの観光戦略」「地域の魅力『彩』発見」「観光DX(デジタルトランスフォーメーション)」の四つのテーマで、有識者に加え、地元の観光産業に携わる経営者を交えてディスカッション。全国から多くの意見が寄せられ、これからの観光振興について理解を深めた。
2日目は、那覇会場、東京会場、受賞商工会議所をオンラインでつなぎ、「2021年度全国商工会議所きらり輝き観光振興大賞」の表彰式」を実施し、大賞を受賞した神戸商工会議所が事例発表。その後の全体会議で、「新・観光産業~地域の総合産業としての観光のあり方~」と題して藻谷氏による基調講演を行った。
藻谷氏は、「今後の観光戦略は、旅行者数より消費に視点を置き、欧米豪州を中心とする長期滞在旅行者をターゲットに単価向上の取り組みを進めていくべき」と指摘。そのためには、「地域の本当の強み」を見極めることが必要との見方を示すとともに、「地消地産」をさらに進め、「地元に落ちる売り上げを1%でも増やし、地域の総合産業として地域内経済を循環させていくことが重要」と強調した。
会議の締めくくりとして全会一致で採択した「おきなわ那覇アピール」では、特に「Review:未曽有の災禍で顕在化した観光の課題と施策の検証」「Restart:コロナ禍からの再出発」「Revitalize:観光の力による地域経済の再生」の3点を今後の観光振興の指針として提示。地域経済のリーダーとして、商工会議所が全力を挙げて、観光産業の変革と創造に取り組んでいくことを宣言した。
また、次回開催地の松山商工会議所(愛媛県)から、来年度の大会参加を呼び掛け、閉会。その後、専門ガイドと共に沖縄の魅力を体験するオンラインツアーも実施している。
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