~今立ち上がろう! 仲間と共に地域と日本の未来へ~ 2021年11月18~20日
日本商工会議所青年部(日本YEG)は、全国の商工会議所青年部の指導的役割を担う会長、次期会長予定者およびYEG活動を支えている事務局を対象に、地域経済を担うリーダーとしての資質向上と意識高揚、意見交換を通じた組織の活性化と一層の充実を図るため、全国会長研修会を開催。2日間で、1900人を超えるYEGメンバーが参加した。
研修の価値を全国のYEGメンバーへ
今年度は、日本YEGスローガン「FOR ALL YEG 成長への貢献、地域と共に、ワクワクする未来を」の下、従来の参加対象者(当年・次年度会長、事務局)以外の青年部の参加を促した。幅広く研鑽(けんさん)の機会を提供できるよう、ハイブリッドで開催し、土浦YEGによる10種の研修と、日本YEGの委員会が担当する5つの研修を実施した。
研修フェス(日本YEG)
日本YEGでは、「ビジネス交流」「国際ビジネス」「政策提言」「ブランディング」「組織力活性化」をテーマに、単会同士の交流会の開催に必要な七つ道具の紹介、Amazon社員による越境ECの導入手法と効果などを学ぶ講演、Webを活用したマーケティングの方法、互産互消(※)という新たな交流の形を学ぶなどの五つの研修を実施し、多くの人から好評を得た。
※『互産互消とは』
地産地消の反対の意で、二つの地域が「お互いの地域にないもの」を交換することで、経済活動や人的交流から新たな価値を創造していこうというもの。具体的には、遠方にある地域が「ヒト・モノ・コト」の「物産交流」「人的交流」「生活交流」を進め、さまざまな分野の連携を行う。
つちうら研修(土浦YEG)
土浦YEGは、生産量日本一のレンコンをはじめとする農業、郷土食の歴史と文化の探求や、販売戦略・ブランディングなどの学びと体験を盛り込んだ研修を企画した。また、日本の最先端研究機関が集中している隣接のつくば市で、最先端技術の見学や防災に対する教訓を学ぶ研修などを設えた。
交流と研鑽の場は新たな出会いと気付きの場
日本YEG吉川会長は、開催地の土浦市と土浦商工会議所、土浦YEGのメンバーに向けて感謝の意を伝えるとともに、参加者に対し「この研修会において交流と研鑽とは、新たな出会いと、新たな気付きを得ること。新たな出会いとは、新しい知識・新しい情報、そして新しい体験の数々、それらを通じて新しいビジネスにつながる。そして新たな気付きが自らの成長につながる」と述べ、自己革新と成長、企業の成長に役立てていただきたいとあいさつした。
また、土浦YEGの皆見貞康大会会長は、現地人数を制限しての開催となったことについて「オンラインという開催方法が、今後のYEGにとっての必要な学びになる」と前向きに捉えつつ、「花火で有名な土浦では、来年全国花火競技大会が行われるので、改めて足を運んでほしい」と参加者に伝えた。
YEG活動・展開とその未来
日本YEG執行部に聞く「YEG活動・展開とその未来」は先月号に引き続き、ブロック大会を終えた小寺近畿ブロック代表理事・藤原関東ブロック代表理事・寺田東海ブロック代表理事を対談形式で紹介する。
―コロナ禍でブロック大会を開催した、その過程において単会やブロックの成長や変化はありましたか
小寺 行政・親会・市民の反応を見ながら形にしていくことは予想以上に大変でしたが、自分たちのビジョンを明確にし、途中でやり方や形を変えながらも、目指す大会までできたことは成果につながりました。残念な点は、PR活動ができなかったこと。お互いのメンバー同士が事前に交流する機会が少なく、キャラバン活動は人とのつながりを広げる機会でもあると、改めてその重要性に気付かされました。
藤原 9月の登録開始の時点では、完全オンラインでの開催予定でした。最後までハイブリッド開催の可能性にかけ、多くのメンバーが手伝ってくれたことで、何とか実現できました。今後はコロナ禍でのリアル開催も視野にしたルールづくりなど、次年度メンバーにもあきらめない強い思いを持ち、引き継いでほしいと思います。
寺田 二人と同様で、いかにして大会を行うかが課題でした。豊田大会は、われわれが思い描いた大会をほぼ予定通りに開催することができました。単会内で意見が対立することもありましたが、最終的には団結し、それぞれが協力しやり遂げたことで単会の士気が上がり、良い経験となりました。
―商工会議所の一翼を担う者として親会との関わり方や役割は?
藤原 コロナ禍にブロック大会を開催していく上で、さまざまな意見の相違はありましたが、今後も行政と足並みをそろえ、親会とのつながりを強く持っていきたいです。
寺田 親会に青年部活動について相談する際は、人材育成への物心両面のサポートも含めて、いつも応援していただいています。ブロック大会だけでなく、単会におけるギネス記録への挑戦事業など、親会にさまざまな活動を理解してもらっていることが豊田YEGの強みです。今後もさまざまな事業に挑戦したいと思っています。
―自単会の魅力は?
小寺 綾部市はグンゼ株式会社の創業地でもあり、繊維産業を中心に栄え、現在でも製造業を営む企業が多くものづくりのまちです。人口約3万1000人の中で単会メンバーは70人ほどなのでかなり高い割合です。また、メンバー同士の仲も良く、地域のお祭りの運営や子どものための職業体験を行い、勢力的にYEG活動に取り組んでいます。
寺田 会員拡大につながる広報活動に力を入れています。ウェブサイト・広報誌の作成を行い、2017年から始めた単会メンバー間のビジネス取引の実績も報告しています。年間で、2億円以上のビジネス取引があります。単会メンバー間のつながりがいかに重要か、かつYEGの地位を確立するために引き続き情報発信していきたいと考えています。
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