七尾商工会議所(石川県)と金沢大学は、能登の地域通貨「SATO(サト)」の導入を目指し、昨年11月20日に七尾市中心市街地で実証実験を実施した。同所と同大学は昨年2月、DX(デジタルトランスフォーメーション)に関するパートナーシップ協定を締結し、DXを推進。同事業はその一環として、世界農業遺産に認定されている「能登の里山里海」の生物多様性や伝統的農林漁法、景観、文化などを守ることを目的に、環境保全活動や人口減少対策、祭りの再生など地域への貢献活動を貨幣価値に換算し、地元の商店などで利用できるようにするもので、観光庁「地域の観光資源の磨き上げを通じた域内連携促進事業」の支援を受け実施した。
SATOは安全性を高めた暗号通貨(クリプトキャッシュ)で1SATO=1円として、スマートフォンのアプリ上で買い物や飲食に使用できる。実証実験では、同大学の学生や「ななお・なかのとDMO」(観光地域づくり法人)などが参加し、神社のさい銭や飲食店の代金を同通貨で支払うなど、アプリの使い勝手などを検証。今後は実証実験の結果などを踏まえて通貨の詳細を検討し、2025年の実装を目指す。
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