公正取引員会は、昨年12月27日に閣議了解された「パートナーシップによる価値創造のための転嫁円滑化施策パッケージ」に関する取り組みとして、今年1月26日に、「違反行為情報提供フォーム」の設置、下請代金支払遅延等防止法(下請法)に関する運用基準の改正、下請法に関するウェブサイト上の「よくある質問コーナー(下請法)」の更新の三つの取り組みを実施した。内容は、次の通り。
三つの取り組み
1 違反行為情報提供フォームの設置
下請事業者が匿名で、「買いたたき」などの違反行為が疑われる親事業者に関する情報を提供できるフォームとして「違反行為情報提供フォーム」を設置した。提供された情報は、転嫁円滑化施策パッケージに基づく独占禁止法上の優越的地位の濫(らん)用に関する緊急調査や下請法上の定期調査における対象業種の選定、調査票の送付先の選定などに活用する。
2 下請代金支払遅延等防止法に関する運用基準」の改正
労務費、原材料費、エネルギーコストの上昇を取引価格に反映しない取引は、下請法上の「買いたたき」に該当する恐れがあることを明確化するため「下請代金支払遅延等防止法に関する運用基準」(平成15年公正取引委員会事務総長通達第18号)を改正した。
新たに「買いたたき」に該当するように明確化された行為は、次の通り。
○労務費、原材料価格、エネルギーコストなどのコスト上昇分の取引価格への反映の必要性について、価格の交渉の場において明示的に協議することなく、従来通りに取引価格を据え置くこと。
○労務費、原材料価格、エネルギーコストなどのコストが上昇したため、下請事業者が取引価格の引き上げを求めたにもかかわらず、価格転嫁をしない理由を書面、電子メールなどで下請事業者に回答することなく、従来通りりに取引価格を据え置くこと。
3 よくある質問コーナー(下請法)の更新
労務費、原材料費、エネルギーコストの上昇に伴い、下請法上留意すべき点を明らかにするため、公正取引委員会のウェブサイトに掲載している「よくある質問コーナー(下請法)」について、Q&Aを追加するなどの更新を行った。
詳細は、https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2022/jan/220126.htmlを参照。
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