政府は4月27日、「第7回デジタル田園都市国家構想実現会議」(議長・岸田文雄首相)を開催し、「デジタル田園都市国家構想基本方針」(骨子案)を公表した。5月下旬にも基本方針を取りまとめ、年末までには総合戦略の策定(まち・ひと・しごと創生総合戦略の改訂)を目指す。
会議に出席した岸田首相は、「2025年度の日本を周回する海底ケーブル整備とデータセンターの全国展開、27年度末の光ファイバーの世帯カバー率99・9%、30年度末の5G人口カバー率99%など、具体的な整備目標を基本方針に明記した上で、予算、税制、規制を総動員し、官民協働して、デジタル・インフラの整備を加速する」との考えを表明。また、「今年度中に、マイナンバーカードの交付と健康保険証利用の環境に一定のめどが立つよう、自治体と医療機関を集中的に支援する」と述べ、総務大臣、厚生労働大臣、デジタル大臣など関係閣僚に、マイナンバーカードの普及と利便性向上への取り組み強化を指示した。
デジタル田園都市国家構想は、地方からデジタルの実装を進め、都市間格差の解消と地域活性化を目指すもの。岸田首相は「新しい資本主義」実現に向けた成長戦略の最も重要な柱と位置付けている。今回の基本方針骨子案では、地方の課題をデジタル実装により解決するため、「5G(第5世代移動通信システム)」「デジタル田園都市スーパーハイウェイ(日本を周回する海底ケーブル)」「デジタル推進人材の育成」「デジタル推進委員の全国展開」などの数値目標を明記。地域の取り組みを促すための地域ビジョンとして、「スマートシティ」「『デジ活』中山間地域(デジタル化による農業の生産性向上を図る地域)」「産学官協創都市」「SDGs未来都市」「脱炭素先行地域」の五つを提示した。
また、岸田首相は、デジタル田園都市国家構想の実現に向けた地域の取り組みを募集し、特に優れたものを表彰する「Digi田(デジデン)甲子園」の開催を宣言。デジタルの活用による地域の個別課題の解決や、暮らしの利便性と豊かさの向上、地域の産業振興につながる取り組みのアイデアの応募を呼び掛けた。
詳細は、https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digital_denen/dai7/gijisidai.htmlを参照。
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