経済産業省資源エネルギー庁は5月27日、総合資源エネルギー調査会の「電力・ガス基本政策小委員会」に提出した「2022年度の電力需給見通しと対策について」を公表した。今夏の電力需給は10年に1度の猛暑を想定した場合にも、全てのエリアで安定供給に最低限必要な予備率3%はかろうじて確保できるものの、17年度以降で最も厳しい見通しとなっている。
今年7月の見通しは東北、東京、中部の3エリアの管内の予備率は3・1%。北陸、関西、中国、四国、九州の5予備率も低い水準にとどまる。
22年度の冬季の需給見通しは、東京電力管内で予備率が1月▲0・6%、2月▲0・5%となっているほか、中部、北陸、関西、中国、四国、九州の6電力管内で1月1・3%、2月2・8%と7エリアで安定供給に必要な電力を確保できていない状況。特に、東京では、約200万キロワットの供給力が不足している。
経産省では供給対策として電源募集の拡充による休止火力の稼働や、災害などに備えた予備電源の確保、再生可能エネルギー電源の稼働の担保、安全性の確保された原子力の最大活用などを検討。需要対策では、需給ひっ迫警報など国からの節電要請の手法の高度化や産業界、自治体などにおける節電要請への対応体制の構築のほか、使用制限令、セーフティネットとしての計画停電の円滑な発動準備なども検討するなど需給両面であらゆる対策を想定する。
家庭や企業における具体的なアクションにつなげられるように、産業界、自治体とも連携し、幅広く、継続的に情報発信する体制を整備するほか、「できる限り」の節電への協力を要請。需給ひっ迫警報(広域予備率3%以下)の発令時刻を従来の前日午後6時から午後4時に2時間早めるとともに、広域予備率が5%以下の場合でも「注意報」を発令し、万全の対応を促す。
詳細は、https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/denryoku_gas/pdf/050_04_04.pdfを参照。
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