帯広商工会議所(北海道)は6月15日、タイ工業連盟チェンマイ支所と連携協定を締結した。オンラインで行われた調印式で、同所の川田章博会頭と同支所のジャッカリンワンウィワット会長が協定書に署名。創立100周年を迎えた同所は、経済・文化・人材の交流促進を図り、今後の両地域のさらなる発展を目指す。
同所は、地方自治体や団体などが蓄積した知見や経験を生かして途上国への協力活動を行う「国際協力機構(JICA)草の根技術協力事業」を2014年からスタート。事業の一環として同年11月にはチェンマイ商業会議所や工業連盟を訪問し、対象国と同所が抱えている課題を現地派遣や研修を通じて協力し合う「中小企業支援プロジェクト」を実施するなど、さまざまな相互事業を展開してきた。これまでに、食を紹介するセミナーや乳製品加工の技術研修などを両地域で開催。タイ・チェンマイ県、マレーシア・ケダ州を対象に、地域ブランド力の強化や海外需要の取り込み、新たな市場開拓などにも取り組んできた。
さらに17年5月、JICA事業の枠組みを超え、帯広に帯広チェンマイ交流協会を設立。帯広畜産大学とチェンマイ大学間の交流を進め、十勝圏域の大学や企業にタイからの留学生やインターンシップの受け入れも開始した。また、コロナ禍で来日が遅れていたが、今年4月にはタイ出身のウォンプイ・パッカワランさんが帯広チェンマイ交流協会事務局担当に、マレーシア出身のコマルル・アリッフィンさんが国際ビジネス推進員として同所に入所。タイ・チェンマイ県、マレーシア・ケダ州と帯広の懸け橋として、今後の2人の活躍が期待される。
これまでの活動をさらに発展させるため、6月に行われたタイ工業連盟チェンマイ支所との連携協定調印式では、同支所のジャッカリン会長が「草の根技術協力事業を通して、工場訪問や展示会への出展、食品の技術研修などを行うことで中小企業の活性化につながった」と両地域の交流活動を高評価。同所の川田会頭は、「チェンマイとの交流・連携から、新たな時代に向けた地域づくりや人づくりが生まれてくる。新型コロナウイルスの感染拡大によって交流が中断しているが、連携協定を契機に経済・文化・人材の交流を促進したい」と意気込みを見せた。
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