農林水産省は5日、「2022年1-6月(上半期)の農林水産物・食品の輸出実績」を取りまとめ、公表した。農林水産物・食品の輸出額は前年同期比13・1%増の6525億円となり、上半期として過去最高。コロナ禍で落ち込んでいた外食需要が欧米を中心に回復したことや、小売店向け、EC販売などの新たな販路への販売も堅調だったことに加え、政府の輸出拡大の取り組みも後押しした。
品目別の実績を見ると、輸出額の増加が大きい主な品目は、ホタテ貝(387億円、前年比67・8%増)、ブリ(209億円、同64・5%増)、日本酒(234億円、同33・7%増)、ソース混合調味料(240億円、同22・1%増)などで、米国などの外食需要の回復や小売店向けの販売好調が主な要因。農産物、林産物、水産物など多くの品目で輸出額が伸び、総額も伸びた(図1)。
国・地域別では米国向けの伸びが大きい。輸出額の増加が大きい主な国・地域は、米国(1046億円、前年比34・5%増)、中国(1201億円、同18・0%増)の順で多く、昨年輸出額2位だった香港(917億円、同10・9%減)は3位に後退した(図2)。
なお、円安は一般的に輸出に好影響を与えるが、農水省では、「輸入原材料・生産資材、輸送費の高騰などが、輸出事業者に大きな負担となっている」と指摘。政府の輸出拡大を後押しした取り組みについては、「輸出証明書の円滑な発行」「水産加工施設などの整備」「輸出先国との規制交渉の進展」などを強調している。
詳細は、https://www.maff.go.jp/j/press/yusyutu_kokusai/kikaku/220805.htmlを参照。
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