育児・介護休業法の改正により、男性の育児休業促進を目的に10月1日から「産後パパ育休」(出生時育児休業)が創設される。従来の育児休業に比べて柔軟に休業が取得しやすくなる制度の導入に対応するため、事業主側は就業規則の改定などの対応が必要。厚生労働省や都道府県労働局などでは、サイトやチラシなどによる改正内容の広報・周知を実施し、事業所などへの対応を呼び掛けている。
10月1日から施行される産後パパ育休(出生時育児休業)は通常の育児休業とは別に取得が可能なもので、主として男性向けに設けられた制度。子どもの出生後8週間以内に4週間(28日)まで休業が可能。現行法では分割所得はできなかったが、期間内であれば分割して2回取得することも可能となる。
申し出の期限は原則として休業の2週間前まで。分割して2回取得する場合は、初めにまとめて申し出ることが必要となる。
休業中の就業については、労使協定を締結している場合に限り、労働者が合意した範囲で休業中に就業することが可能だ。事業主は、労働者が申し出た条件の範囲内で候補日・時間を提示。ただし、所定労働日や所定労働時間の半分など就業可能日・時間には上限がある。
1歳以降の延長については、育休開始日を柔軟化する。期間の途中で配偶者と交代して育児休業を取得するなど夫婦の事情に応じた対応も可能。現行では、母親に育児が偏り、キャリア継続が困難な事例もあったが、父親の育休取得が容易になったことで改善が見込める。
事業主は制度が始まる10月1日に向けて、就業規則の改定が必要になる。産後パパ育休などの申し出や取得を理由に、事業主が解雇や退職の強要、正社員からパートへの契約変更などの不利益な取り扱いを行うことは禁止。上司や同僚からのハラスメントを防止する措置を講じることも義務付けられている。
厚生労働省は、ホームページで就業規則や労使協定の改定の参考となる「ひな型」を示しているほか、分かりやすく解説した動画も掲載。中小企業向けに就業規則改定などの制度整備や休業中の代替要員確保などの悩みに専門家が無料でアドバイスする制度も設け、対応をサポートする。
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