女性の視点で革新的・創造的な企業の創業や経営を行い、事業を成功させている女性起業家を顕彰し、奨励・支援することを目的に日本商工会議所と全国商工会議所女性会連合会が2002年から実施している「女性起業家大賞」。今回は、第21回女性起業家大賞受賞者の12人に加え、2003年「第2回女性起業家大賞」受賞者から20年間事業を継続・成長させている5人にエクセレント賞を授与した。特集では、9月7日に決定した受賞者17人を紹介する。
最優秀賞 日本商工会議所会頭賞
平井 翠さん
株式会社千空 代表取締役
トレンドを捉え、化粧品輸入卸事業を展開
平井さんは、学生時代から培った実務経験や営業職・人材コンサルティング会社の経験を経て、化粧品輸入卸事業を展開。競合他社も多い中、自社ブランドである「CENQUR」を立ち上げた。
「日常をプレミアムに」をコンセプトに、移り変わりも非常に早い化粧品のトレンドや最新情報を常にリサーチし市場を獲得。海外の斬新な感覚を持ち込むことを役目と考え、急成長を遂げている。
同社は、ドラッグストアやバラエティショップ、GMS(総合スーパー)に海外化粧品や自社商品を卸しており、輸入では、韓国やタイの化粧品6ブランドと総代理店契約を締結。業界最大手の商社であるPALTAC(パルタック)を通じて、全国1500店舗以上の小売店に卸している。
化粧品輸入や製造卸、ECショップ運営、輸入代行で誰でも毎日使いたくなる商品を構築した成長モデル。学生時代からの経験を生かし、創業から約3年で化粧品業界のビジネスを確立した。
優秀賞(スタートアップ部門)
築城 弥央さん
小倉織物製造株式会社 代表取締役
織物で伝統とモダンを融合
江戸時代から約400年続く「小倉織」を、企画から染め・紡績・プロダクト製造・販売まで一貫して監修する築城さん。オリジナルファクトリーを持つことで、製造難易度の高い高密度な生地や多彩で複雑なデザインを織ることができ、小ロットにも対応している。
小規模ゆえに短納期かつ顧客や時代に合わせたフレキシブルな対応が可能。小倉織を用いて開発した「KOKURA DENIM」は、新たなデザイナーとのコラボレーションを企画するなど、さまざまな業界での販路拡大を続けている。
グローバル目線を持ち、薄れていく日本文化を「形を変える」ことで発信。次の100年に向け、難易度の高い織物にも挑戦し時代とともに変化し続けることで、世界に通じるテキスタイルを創出し、発展を遂げている。
優秀賞(グロース部門)
池原 真佐子さん
株式会社Mentor For 代表取締役
女性活躍推進モデルを構築
キャリアアップを目指す女性が社会的葛藤に直面したとき、ロールモデル的なメンターによる心的サポートを与える需要があると考えた池原さん。リーダー経験のある女性を、社外メンターとして育成し、女性管理職を育成したい企業の女性社員にオンラインでマッチングする事業を展開している。
今後も増えていく女性管理職のニーズを捉え、企業内の女性管理職育成の際に挙がる「身近にロールモデルがいない、管理職へのイメージが沸かない」という課題解決に直結。女性リーダーの少なさが顕著な日本において、リーダー経験のある女性の知見を次世代に循環させることで、「多様な人が活躍していける組織・社会へ」をミッションに取り組む。
社外メンターという新しい文化・世界を構築し、国策にもつながる事業で女性活躍推進に大いに貢献している。
スタートアップ部門
創業5年未満
奨励賞
特別賞
グロース部門
創業5年以上10年未満
奨励賞
特別賞
エクセレント賞
2003年に実施した第2回女性起業家大賞を受賞後、20年間事業を継続・成長させ、現在においても活躍されている方
(順不同)
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