千葉県茂原市は人口約9万人、決して大きなまちではない。その中で茂原YEGはある事業を核に会員拡大を成功させた。全国のYEGから注目を集めるその事業の名は「経営女子会」。女性の力を最大限に活用して、会員拡大と単会の結束力を高めることに成功したその秘密に迫る。
きっかけは入会6カ月の女性会員の取り組みだった
全国のYEGが会員減少に苦しむ中、茂原YEGは女性の力を活用して会員拡大を見事に成功させた。取り組みの要となったのが「経営女子会」という女性だけの集まりを定期的に開催したこと。初開催から9年目を迎えるこの取り組みについて、第1回から企画に携わる茂原YEGの内山美代志さんに伺った。
「2014年に入会した当時、茂原YEGの会員数は17人、女性会員にいたってはわずか2人とメンバー数の減少が切実な問題でした。そんな中で、どうせなら女性経営者の友だちがたくさんほしいと思い、女性を集めたい=女子会開催、との安易な発想から気軽に開催したことがスタートでした」
成功の秘訣は決して諦めなかったこと
しかし、最初から順風満帆だったわけではなく、30人の定員に対して5人しか集まらないこともあったそうだ。それでも回を重ねるにつれて経営女子会はその注目度を高めていき、参加者も着実に増えていった。
成功の要因は?と内山さんに伺ったところ「諦めずに続けたことですね。参加者がなかなか集まらず、もうやめたらという声もありましたが、テーマやターゲットを変えながら年に3回開催し、事業告知もSNSを活用するなど、さまざまな工夫を凝らしました。そうしていくうちに人が人を呼び、今では定員オーバーになることもあります。噂を聞き付けた他のYEGが他県から見学に来てくれるようにもなったんですよ」と笑顔で答えてくれた。
団結力向上という思わぬ副産物も
気になるその経営女子会の中身は「体験・交流・学び」のテーマを毎回入れ替えて開催されている。例えば「体験」の回ではブーケやコサージュの作成を、「交流」では商工会議所女性会から講師を招いた料理教室、「学び」では税理士との勉強会など、参加者を飽きさせないアイデアが満載だ。
「経営女子会の知名度が上がるにつれ、参加希望者はどんどん増えていきました。そしてYEGが主催なんだよと伝えると、一緒に女子会を企画したい、活動してみたいと思ってくれる人がいて、YEGにも入会してくれる。そうして少しずつ会員数が増加していったのです」
また、女性会員の増加は単会の団結力にもつながっているそうだ。
「例えば家で家事をしながら会議に参加できるようにしたり、子どもを連れて例会に来られるようにしたり、茂原YEGはその都度柔軟に対応してきました。その結果、会員の家族同士が仲良くなり、定期的に開催される家族会は子どもたちが楽しみで待ち遠しいイベントになっています。一方、メンバーにとっては、家族からYEG活動への理解を得られることが大きな励みとなっていて、会議や事業への出席率が増え、メンバー同士の信頼が深まり、単会全体の団結力を向上させています」
経営女子会ネクストステージ
今後の活動について内山さんは、「まずは、経営女子会を2年ぶりに開催できることを楽しみにしています。そして、女子会を経験したことがない新しいメンバーも増えているので、今回の開催を機に若手にバトンを渡したいと考えています。もっともっと自由な発想で、楽しみながら女子会も茂原YEGも進化させていってもらいたいですね」。
2023年にはYEG全国ゴルフ大会の開催が決まっている茂原YEG、ますます全国から注目される単会になりそうだ。
【茂原商工会議所青年部】
会長:原田 佑介
設立:1981年
会員数:79人
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