人口増加が続くまち草津市。平均年齢は約43歳と若く、民間企業の住みやすさ調査では、ランキング上位の常連だ。そのデータを裏付けるように、市内にある草津駅と南草津駅の利用客数は、ここ30年近く県内で1位と2位。この2駅を舞台に開催された二つのイベントを支えた草津YEGの、取り組みと地域への思いに迫る。
ハロウィンとアニメのコラボレーションがまちを活性化
草津市で秋に開催される二つの大きなイベントは、どちらも多くの来場者でにぎわいを見せている。開催当初から参画していた草津YEGの取り組みについて、会長の中村友規彦さんに話を聞いた。
「毎年10月末にJR草津駅周辺で開催している『クサツハロウィン』は、地元企業や商工会議所が主体となって取り組むまちおこし事業で、今年で第7回を迎えました。若い世代を中心に2万人を超える来場者が集まる、日本でも有数のハロウィンイベントで、YEGは親子で商店街を散策しながらお菓子を集める「トリックorトリート」を企画しています。各ポイントに設置したスタンプを集めると景品と交換できる仕組みになっていて、たくさんのお店に来店してもらうことで、参加者に楽しんでもらいながら地域活性につなげることが狙いです」
産官学民のつながりを復興と防災の力に
「もう一つは、毎年11月にJR南草津駅周辺で開催され、今年で10回目を迎える『みなくさまつり』です。草津市、立命館大学、商工会議所が連携する産官学共同事業として、地元だけでなく、草津を訪れる大勢の人とのつながりを深めたいという目的のもと催されます。草津YEGでは会場に復興支援ブースを設け、義援金の募金や東日本大震災の被災地と滋賀県のコラボ商品の開発などを通じ、支援活動に取り組んできました。復興支援は草津YEGが先輩の思いとともに引き継いできた活動です。今後とも、被災地と被災した人に思いを寄せ、離れていてもつながりは育めること、そしていつ起こるか分からない災害への備えを忘れないことの大切さを伝えていきたいと思っています」
活動する喜びを地域発展の追い風に
草津YEGは、社業発展のための勉強会や、地域の課題解決に向けたほかの経済団体や行政職員との意見交換会など多岐にわたる活動を展開している。その中で地域イベントについてはどう捉えているのか。
「草津には観光資源が少ないので、県内外の人に魅力を直接伝えるチャンスとなるまちおこしイベントは重要だと考えています。そして、地元の人や企業との交流を深めることで、住みたいと思ってもらえる。そのポテンシャルがあることは、このまちで生まれ、働く私たちが一番よく知っていますし、だからこそ関わる理由があると思っています」と話してくれた。
最後に、中村会長は今後の展望について、
「草津YEGは来年、創立40周年を迎えます。これまでの伝統を引き継ぎながら、メンバーが一致団結し、まちに新しい風を起こしていきたいです。そして、さまざまな取り組みを通じて交流を深め、楽しさを共有し、YEGに入会して良かったと思うメンバーが増えれば、私たちが地域に対してできることはさらに増えていくでしょう。草津を愛する気持ちを原動力に、これからも経済発展に寄与していきたいと願っています」と熱く語ってくれた。魅力あふれる草津市からも、草津YEGの今後の活動からも目が離せない。
【草津商工会議所青年部】
会長 : 中村 友規彦
設立 : 1983年
会員数 : 123人
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