独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)は2022年12月28日、「中小企業における円安の影響に関する調査」を公表した。調査期間は、同年11月22~25日。全国の中小企業者1000社を対象に、Webアンケートの方法で実施した。円安による原材料高などにより、デメリットを感じる企業が半数を超える結果となった。
調査結果によると、円安が経営に与える影響について「デメリットの方が大きい」と回答した企業は50・6%。一方で、「メリットの方が大きい」と回答した企業は4・5%と少ない結果となった。
デメリットの具体的内容としては「原材料・商品仕入れ価格の上昇」(79・0%)が最多。次いで「燃料価格の上昇」(55・2%)、「コスト増加分の価格転嫁による販売数量・売り上げの減少」(33・7%)、「価格転嫁の遅れによる採算の悪化」(29・4%)、「物価上昇よる消費マインドの悪化」(27・7%)の順で多かった(図1)。
「原材料・商品仕入れ価格の上昇」と回答した企業の販売価格への転嫁状況を見ると、「全く転嫁できていない」が最多で28・9%だった。「ほぼ全てを転嫁」(6・8%)、「8割程度は転嫁」(8・8%)など8割近くを転嫁できた企業は15%程度。「1割程度」(21・9%)、「3割程度」(13・5%)、「5割程度」(15・0%)など転嫁できた割合については、ばらつきのある結果となった(図2)。
円安進行に伴う対応策を取っている企業は12・0%で、「今後対応策を取る予定」は14・6%。具体的な対応策としては「商品・サービス価格への転嫁」が62・8%で最も多く、次いで「経費の削減」(45・5%)、「仕入れ先・仕入れ方法・仕入れ価格の見直し」(40・2%)の順となっている。
円安進行に伴う対応策に対する有効な支援策については「補助金・助成金、税制特例措置による支援」(42・9%)が最多。次いで「適切な価格転嫁促進に対する支援」(34・4%)、「仕入れ先・仕入れ方法の見直しに対する支援」(23・9%)の順となった。
詳細は、https://www.smrj.go.jp/research_case/research/questionnaire/index.htmlを参照。
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