本庄商工会議所(埼玉県)は仮想空間で会員向けのサービスを体験できる「本庄メタバースオフィス」を開設した。メタバース、NFT(代替不可能なデジタルデータ)、ブロックチェーンなど普及が予想される新たな技術革新に備え、会員企業のニーズに応えるとともに、地域発展のためのコミュニティ形成、地域のITスキル底上げを目指す。コロナ禍で対面での実施が難しい場合のミーティングや各種相談窓口など幅広い役割も想定している。
同所では、地元企業のDX化を目指し、本庄市と連携して「ICT利活用経営相談窓口」を2020年に設置。ITに関するヒアリング、パソコンのセットアップやSNSの活用方法といったITの導入部分から、高度な専門知識が必要となる相談に対応し、これまでに延べ1000件以上の支援実績を誇る。
22年11月には、地元中小企業に最新IT技術に触れてもらい、新たな技術革新に備えてもらおうと、メタバースオフィスを開設。パソコンに専用プラグインをインストールし、VRゴーグルなしで使用できる。仮想空間には、受け付けを中心に、個別に接客できる会員企業の紹介ブースや、大人数の会議やスライドを使った講演会などで使えるセミナールーム、会頭室など六つの部屋を設置。画面上の壁面に自社のロゴやホームページのリンクを貼るなど、利用者が自由に編集できる機能を搭載したほか、オフィス内を歩く職員のアバターに話しかけることもできる。今後、会員事業者が顧客とのミーティングや合同企業オンライン説明会の開催、各種相談窓口にも活用してもらえるよう整備を進め、メタバースならではのイベント も企画していく。
同所は、「DX化を推進することで、代表者や従業員のITリテラシーの向上をはじめ、さまざまなサービスや事業の創出、生産性向上につなげてほしい」と話す。利用は予約制で、最大10人。
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