日本商工会議所をはじめ、経済団体、保険者、自治体、医療関係団体などが参加する「日本健康会議」は8月27日、健康増進に向けて取り組むべき目標を定めた「健康なまち・職場づくり宣言2020」の達成状況報告会を都内で開催した。保険者や商工会議所のサポートを得て健康づくりに取り組むことを表明する「健康宣言」を行った企業が2万社を超えるなど、2020年までの達成を目指していた八つの目標のうち、すでに五つが達成され、順調に成果が上がっていることなどが紹介された。
日本健康会議は、国民の健康寿命延伸と医療費適正化に向けた活動を実施するため2015年に発足。日本健康会議の共同代表を務める日本商工会議所の三村明夫会頭は、冒頭のあいさつで、地方版の健康会議が地元自治体と連携して開催されていることなど、予防・健康づくりの機運が全国規模で高まりを見せていることを評価。自治体トップの強いリーダシップの下、予防・健康づくりを軸とした健康寿命の延伸と医療費適正化の取り組みが日本各地に広がることに期待を寄せた。
また、会合では加藤勝信厚生労働大臣と世耕弘成経済産業大臣が来賓としてあいさつ。政府が6月に閣議決定した「骨太の方針2018」において、予防・健康づくりを社会全体で推進するために、日本健康会議の取り組みを各地に広げていくことが明記されたことに触れ、日本健康会議の活動の重要性を指摘するとともに、今後も、各団体や企業などの積極的な取り組みを国として応援していく考えを示した。
会合の第1部では「健康なまち・職場づくり宣言2020」の達成状況の報告をはじめ、各保険者からの取り組みが紹介された。また、先進自治体の事例として、福井県と福岡県が健康寿命延伸や健康づくりの推進に関する取り組みを説明した。
第2部では、日本健康会議が厚生労働省や経済産業省と連携して、今年度から各健康保険組合に配布することとなった健康スコアリングレポートなどを紹介。同レポートは、各健保組合の加入者の健康状態や医療費、予防・健康づくりの取り組みなどについて、全国平均や業界平均と比較したデータをグラフ化したもの。企業と健保組合が従業員の健康課題を共有し、解決に取り組むためのコミュニケーションツールとして活用することで、従業員に対する予防・健康づくりの取り組みが活性化されることが期待されている。
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