国立社会保障・人口問題研究所はこのほど、「2016年度社会保障費用統計」を公表した。2016年度における社会保障給付費の総額は116兆9027億円で、高齢化を背景に過去最高を更新した。前年度比では、1兆5020億円増(1・3%増)となった。1人当たりの社会保障給付費は、92万1000円だった。社会保障給付費は、社会保険料や公費負担などが財源で、サービス利用者の自己負担は含まない。
社会保障給付費を「医療」「年金」「介護・福祉など」の三つの分野に分けると、「医療」は38兆3965億円(前年度比0・6%増)、「年金」は54兆3770億円(同0・5%増)、「介護・福祉など」は24兆1291億円(同4・2%増)となり、全分野で増加した。
社会保障給付費に対応する、社会保険料や公費による負担といった「社会保障財源」については、総額134兆9177億円となった。前年度比では、11兆1093億円増(9・0%増)となった。
社会保障財源を項目別に見ると、「社会保険料」は68兆8875億円(前年度比2・9%増)、「公費負担」は47兆7480億円(同2・2%増)と前年度より増加した。また、年金積立金の運用実績が良好であったことから、資産収入などの「その他収入」も18兆2822億円(同79・8%増)と大きく増加した。
詳細は、http://www.ipss.go.jp/ss-cost/j/fsss-h28/fsss_h28.aspを参照。