日本商工会議所の鳥井信吾副会頭(大阪・会頭)は6月15日、高知市で開催した四国ブロック商工会議所との懇談会後の記者会見で都市部と地方の賃金格差について、「都市部と地方、大企業と中小企業の二極化が進んでいる」と述べ、是正の必要性を強調。政府が掲げる「成長と分配の好循環」については「時代の転換期にあって大事なことだと思う。国と商工会議所が一体となり進んでいくことが重要だ」との考えを述べた。
記者会見には、鳥井副会頭のほか、四国地方商工会議所連合会の泉雅文会長(高松・会頭)、高知県商工会議所連合会の西山彰一会頭(高知・会頭)が同席した。高知県経済の活性化について、鳥井副会頭は、「インバウンドの呼び込みという意味では、四国八十八カ所のお遍路さんは脳の活性化、身体の健康、人々の交流、教育、スペインのサンティアゴ巡礼路との協力協定など多面的な価値があり、ぜひ再活性化に取り組んでいただきたい」と期待を表明。西山会頭は、「今年はよさこい祭りも完全な規模で開催し、70周年を迎えることができる」と述べるとともに、高知がNHK連続テレビ小説「らんまん」の舞台となっていることについて、「千載一遇のチャンスであり、観光資源をブラッシュアップしたい」と意欲を示した。
鳥井副会頭は、地方都市で日商の会議を開催することについて、「本当に意義がある。日本の国の形が見えて来る。日本は東京に一極集中しすぎている面がある」と指摘。各地の小規模事業者を含めた中堅・中小企業の活性化に向け、「商工会議所としてのアイデアの続く限り仕掛けていくことが必要だ」と述べた。
また、大阪・関西万博に対する四国からの期待について、鳥井副会頭は、大阪・関西万博のテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」は四国が目指す方向性とマッチするとの考えを表明。「四国から万博に来てもらい、また地方から来た人が万博を経由して四国に行く周遊ルート、地方の人々が万博で結ばれて周遊していく大きな流れをつくっていきたい」と抱負を語った。
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