及富(おいとみ) (岩手県奥州市/奥州商工会議所)
今月は、涼やかな音で暑気を払う南部鉄器の風鈴をご紹介します。
南部鉄器は、平安時代に奥州藤原氏が近江国から鋳物師を招いたことから始まったといわれています。奥州市では鋳型材料となる質の良い砂や粘土が産出し、背後の北上山地から砂鉄が採れたため鋳造業が発達していき、江戸時代には伊達藩の保護を受けて南部鉄器としてのブランドを確立していきました。
及富は、伊達家お抱えの釜師として活躍した及川利源太によって1848年に創業し、茶の湯に欠かせない鉄瓶を主軸に、モダンなデザインの南部鉄器を生産しています。同社の風鈴は、高音で鳴る硬い鉄を用い、よく響くよう形にもこだわり抜くことで、美しく涼しげな音を奏でるよう仕上げられています。伝統技術に現代の感性を加えた同社のものづくりは海外からの評価も高く、南部鉄器の奥深さを国内外に広めています。
お問い合わせ
及富
TEL : 0197-25-8511
HP : https://oitomi.jp/
※月刊石垣2023年月7号に掲載された記事です。
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