三島商工会議所(静岡県)グリーンインフラ整備推進特別委員会は7月8日、水害対策として期待される「雨庭(あめにわ)」を水害が多い長伏工業団地の一画に設置した。雨庭は、雨水を下水道に直接放流せず一時的に貯留し、ゆっくりと地中に浸透させる仕組みを持つ植栽空間。降った雨が河川に一気に流れ込むのを防ぐ効果が、自然の機能をインフラ整備に活用する「グリーンインフラ」の一つとして注目されている。
同所は2021年6月に「SDGs宣言」を行い、その取り組みの一つとして「グリーンインフラ整備の推進」を掲げて同委員会を発足し、調査研究を重ねてきた。今回の雨庭は、その普及に取り組む熊本県立大学の島谷幸宏特別教授の指導を受け、試験的に設置。今後雨水の浸透量などを計測して効果を確認し、将来的には市内に雨庭の設置個所を増やしていきたい考えだ。
当日は、小野徹副会頭や同委員会の森崎祐治委員長らも参加する中、委員会メンバーらがスコップを手に3・5m×1・5m×深さ0・4mの雨庭を制作。三島溶岩で周囲を囲い、中央には花を植えて看板も掲げた。
同所は「災害対策としては小さな取り組みだが、地域周辺に広げたい。市民の皆さんにもチャレンジしてほしい」と雨庭の普及に意欲を示している。
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