札幌商工会議所(北海道)では、北海道胆振東部地震の影響で減少している観光客を呼び戻す事業の一環として9月26日、外国人留学生を招待して「北海道の食の魅力体験」を実施した。楽しく安全な札幌の今を、海外メディアや会員制交流サイト(SNS)を通じて広めてもらうことが目的。道内最大級の食のイベント「さっぽろオータムフェスト」で、参加者14人が元気な札幌の様子を世界に向けて発信した。
観光業の立て直し強化を図る札幌市と歩調を合わせる同所は、例年多くの人でにぎわう同イベントをきっかけに、元気な北海道をアピールした。
当日は、道内各地の食べ物を集めた8丁目会場「さっぽろ大通ほっかいどう市場」に集合した留学生14人に2千円分の食事券を提供。中国、香港、台湾出身の参加者は、イカ焼きやホタテ焼き、カニめしなど、北海道の味覚を味わいながら、それぞれがSNSの投稿用写真を撮影し、リアルタイムな情報として母国語で発信した。
同所では、昨年から「札幌観光大使インターナショナル」と称して留学生に協力を呼び掛け、海外からの誘客につなげる事業を運営してきた。魅力的な観光スポットや文化、グルメなどを無料体験し、その様子や感想をSNSで発信してもらい北海道のPRにつなげることが狙い。現在、札幌市、江別市、小樽市などの近郊の大学や専門学校に通う、近隣アジア諸国を中心に米国、フランスなども含め88人の留学生が登録している。
今回で17回目の実施となり、過去には夜景体験、着物体験、演奏会体験など、さまざまな角度から札幌の魅力を体験してもらい、発信の機会を設けてきた。現地からの口コミ情報は説得力があると留学生の発信力に期待が寄せられている。こうした動きが風評被害払しょくに一役買っていることは確かだ。
同所では、情報発信強化のためウェブサイト「インバウンドサービスNavi」を開設するなど、訪日客に向けたサービスも活発になり、盛り返し機運が高まっている。
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