中小企業庁はこのほど、今年3月に実施した「価格交渉促進月間」のフォローアップ調査結果を基にした発注側企業116社の価格交渉、価格転嫁の実態状況の社名入りリストと発注側企業による優良事例を公表した。今回の企業リストは、同調査で10社以上の受注側中小企業から「主要な取引先」として挙げられた発注側企業について直近6カ月の「価格交渉」および「価格転嫁」について受注側中小企業からの回答を点数化し、その平均値を4段階に分類・整理している。価格交渉の状況について、4段階で最上位の「7点以上」は30社、「4点以上7点未満」は60社、価格転嫁については、「7点以上」が4社、「4点以上7点未満」は66社だった。 価格交渉・転嫁の好事例は、「経営トップによる発信」「発注者側からの価格交渉の働きかけ」「原材料費のみならず、エネルギーコスト・労務費の価格転嫁」「社内体制の整備」の4点で整理。「経営トップによる発信」としては、経営トップによる社内・取引先への会社を挙げた対応方針の発信事例を紹介している。「発注者側からの価格交渉の働きかけ」としては、原材料や電力、労務費や運送費などの費目を明示した価格交渉用のフォーマットを提示し、取引先に呼びかけた事例を紹介。「原材料費のみならず、エネルギーコスト・労務費の価格転嫁」については、原油価格上昇分を考慮した燃料サーチャージを導入し、契約額に加算して支払った事例や、労務費の値上げに対応する予算を措置し、適正な転嫁を行う環境を整備した事例を挙げている。
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