日本商工会議所は10月18日、石井啓一国土交通大臣との懇談会を都内で開催した。日商の三村明夫会頭は、昨今の大阪府北部地震、西日本豪雨、台風21号、北海道胆振東部地震などの被害を踏まえ、「自然災害による鉄道や道路などの被害が長期化すれば日本経済全体に大きなダメージが出かねない状況が改めて浮き彫りになった」と指摘。今後想定される大規模災害への備えとして、国土を強靭化する社会資本整備のさらなる充実、特にストック効果を重視したインフラの整備や老朽化したインフラへの対策を求めた。
懇談会には日商から三村会頭はじめ、尾崎裕副会頭(大阪・会頭)、山本亜土副会頭(名古屋・会頭)、上野孝副会頭(横浜・会頭)、家次恒副会頭(神戸・会頭)、鎌田宏副会頭(仙台・会頭)、深山英樹副会頭(広島・会頭)、福田勝之副会頭(新潟・会頭)、岩田圭剛副会頭(札幌・会頭)、藤永憲一副会頭(福岡・会頭)ら13人、国土交通省からは、石井大臣はじめ、塚田一郎副大臣、大塚高司副大臣、工藤彰三政務官、田中英之政務官、阿達雅志政務官ら幹部26人が出席した。
三村会頭は、冒頭のあいさつで中小企業の景況感や、人手不足、事業承継などの中小企業を取り巻く課題について説明。また、大規模災害への対応として、国土強靭化のほかに、インバウンドを含めた旅行者に安全・快適に観光してもらうため、適時的確な情報の伝達や地域交通の充実などに向けた施策の強化を要請した。
石井大臣は、災害への対応について、現在、災害時に重要となるインフラに関して、ソフト・ハードの両面から緊急点検を行っていることから、11月中に政府全体で点検結果をまとめ、今後3年間集中的に防災・減災対策、国土強靭化に取り組んでいく考えを表明した。また、観光振興については、非常時におけるインバンドの安全・安心確保を図るとともに風評被害対策も講じ、2020年にインバウンド4千万人という目標達成に向けて注力していく意向を示した。
意見交換では日商側から、各地の災害の状況とともに、社会資本整備、観光振興、港湾の国際競争力強化、建設業の人手不足などについて発言した。
最新号を紙面で読める!