農林水産品の輸出簡素化

特定原産品であることを明らかにする資料

EPA利用促進 ガイドライン公表

経済産業省はこのほど、経済連携協定(EPA)を締結している国へ農林水産品を輸出する際の「申請手続における提出書類等の例示と留意事項(農林水産品編)」(以下、ガイドライン)を公表した。ガイドラインに併せて、記入項目が簡素化された新しいひな形も公開した。手続きをより簡素化することで、申請者はより簡便にEPAを利用できるようになる。

4月以降、政府では、官邸主導で農林水産品の輸出拡大に向けた検討・取り組みを進めており、今回のガイドライン公表もその取り組みの一環だ。関税率が優遇される「特恵関税」の適用を受けるために必要な手続きを簡素化することで、2019年の農林水産品・食品の輸出額1兆円の実現を目指す。EPAを利用して海外で商品を輸入する際の関税が減免されることで、日本産の商品を海外で販売する際に価格競争力が高くなるなどのメリットが得られる。

EPAを利用するためには、輸出する商品が日本産かどうかを事前に確認する「原産品判定」を行った上で、証明書を入手する必要があり、輸入国の税関へ証明書を提出することで関税の減免を受けることができる。今回のガイドラインでは、一度、原産品判定を受けた農林水産品を繰り返し輸出する場合に、日本産かどうかの確認作業を改めて依頼する必要がなく、すぐに証明書の申請ができることが明示された。併せて、農林水産品が日本産であることを証明するための資料のひな形は、記入項目が一部簡素化されるなど、おおむね資料の作成をより簡便に行うことができるようになった。

日本産を証明する「原産地規則」

EPAには、商品が日本産であることを証明するための「原産地規則」と呼ばれる独自のルールがある。商品によってそのルールが異なるものの、農林水産品の場合は商品の収穫、流通、加工が全て日本国内で行われていることを証明する「完全生産品」というルールを使用することが多い。商品を加工せずに輸出する場合は、商品の生産者が商品名や収穫場所などを証明する「農林水産品に係る生産証明書」や「漁獲・養殖証明書」を作成する。何かしら加工を行う場合は、加工業者が「農林産加工品に係る製造証明書」や「水産品に係る加工証明書」を作成し、産地を証明書する書類と併せて申請する。

これまでは出荷ごとに日本産かどうかの原産品判定を行う場合があったが、今回のガイドラインの公表により、収穫地などが変わらないことを条件に、一度、原産品判定を受けている場合は証明書の申請ができることとなった。

日本商工会議所は、特定原産地証明書の発給機関として経済産業省から指定を受けており、東京、大阪、名古屋をはじめ全国26カ所の事務所において証明書の発給を行っている。今回のガイドラインを踏まえて、8月に申請企業向けの案内をウェブサイト(https://www.jcci.or.jp/international/certificates-of-origin/参照)へ掲載している。

(日本商工会議所国際部)

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