政府は10月31日、第15回「全世代型社会保障構築会議」を開催し、今後の社会保障制度改革の在り方などについて、日本商工会議所など経済3団体や連合、全国知事会などからヒアリングした。会議に出席した日商の中山讓治社会保障専門委員長は、給付が野放図に拡大しないよう適正化を図る仕組みへの転換を要請。保険料負担の大半を担う現役世代や企業の負担の増加をできる限り抑制していくことなどにより、時代の変化に合わせた社会保険制度改革を、計画的かつ着実に進めることなどを求めた。
中山委員長は、今後の社会保障制度改革に向けて「医療・介護提供体制」「現役世代の負担軽減、応能負担の強化」「自助・互助の取り組みを推進」「働き方に中立的な制度への見直し」「国民の健康増進につながる新産業の創出・育成」の5項目について提言。現役世代の負担軽減、応能負担強化に向けては、「高齢者医療制度への拠出金負担割合の上限設定」「一定以上の所得がある医療・介護保険利用者の負担割合引き上げ」「介護ケアマネジメントへの利用者負担の導入検討」などを求めた。
働き方に中立的な制度への見直しに向けては、「働けない事情にも配慮した形での第3号被保険者制度の再構築」「短時間労働者の『年収の壁』問題を生じさせている保険適用基準の明確化と周知徹底。就労調整自体が生じない社会保険の在り方の検討」「高齢者の就業阻害要因にもなっている在職老齢年金制度の見直し」などの重要性を指摘。新産業の創出・育成に関しては、ヘルスケア関連アプリをはじめとする公的保険外サービス、ヘルスツーリズムなど民間の知恵やノウハウの積極的な活用などを提案している。
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