日本商工会議所は2月21~23日、水戸商工会議所とともに、茨城県水戸市で「全国商工会議所観光振興大会2024 ㏌ 水戸」を開催した。大会には、全国217商工会議所・連合会から約2000人が参加し、「自分の道を見つける旅へ~刺激を求めての観光から、あなたの答えを見つける観光への転換~」をテーマに初日に分科会、おもてなし物産展、全体交流会、2日目に全体会議、最終日にはエクスカーションなどを実施。全体会議では、福田勝之副会頭(新潟・会頭)らから能登半島地震の被害状況などの報告があり、復旧・復興支援も盛り込んだ「水戸アピール」を採択した。
22日の本大会全体会議であいさつした日商の小林健会頭は、能登半島地震被災地の復旧・復興に向け、全国の商工会議所の総力を挙げて支援していく考えを表明。並行して観光による復興の後押しを呼び掛けた。
地域の観光戦略については「観光客数増加を重視した戦略から、良質な観光コンテンツの提供を通じた観光客1人当たりの消費額向上を目指す取り組みが重要」と指摘。「商工会議所が旗振り役となり、地域ならではの地域資源を徹底活用し、観光コンテンツの高付加価値化に取り組んでほしい」と述べた。
全体会議では、日商の志岐隆史観光委員会共同委員長が各地商工会議所における観光振興への取り組み状況を報告。2023年度「全国商工会議所きらり輝き観光振興大賞」の表彰式と大賞を受賞した結城商工会議所中小企業相談所長の野口純一氏が事例発表を行った。
記念対談には、タレントで国際ジャーナリストのモーリー・ロバートソン氏と脳科学者で医学博士の中野信子氏が登壇。大会テーマである「あなたの道を見つける旅へ」をテーマにトークを繰り広げた。
全体会議において満場一致で採択した「水戸アピール~旅とは、自分の道を見つけること。」では、「能登・北陸地域の復旧・復興に向けた全国商工会議所の総力を挙げた支援」「変化に対応し、地域に根差したコンテンツの開発」「サステナブルツーリズムの推進」「周辺地域を巻き込んだ組織的な観光戦略の展開」「多様な人材が輝く観光産業の育成」の重要性を強調。商工会議所がそれぞれの地域における観光再生・振興の旗振り役を担い、持続可能な観光地域づくりを進めていくことを宣言した。
地域に根差したコンテンツの開発に向けては、旅行者の消費行動やニーズの変化に即した付加価値の高いコンテンツ開発への注力、組織的な観光戦略の展開では、商工会議所が率先して、地域の事業者と共に商品開発やプロモーションを展開することを盛り込んだ。
また、持続可能な観光産業の育成へ外国人を含め多様な人材が活躍できる環境整備を推進。デジタル化・DXによる業務・労働環境の合理化などにも取り組む考えを示した。
次回の大会は、2025年1月28~30日に長崎県長崎市などで開催する。
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