経済産業省は5月15日、「令和5年度大学発ベンチャー実態等調査」の結果(速報)を取りまとめ、公表した。調査結果では、2023年10月時点での大学発ベンチャー数は4288社と過去最高を記録。また、今年度は私立大学での増加が目立ち、多くの大学でベンチャー創出に力を入れていることがうかがえる結果となった。
大学発ベンチャーとは、大学での研究成果の事業化のために新規に設立された企業、創業5年以内に大学との共同研究を行ったり、大学から技術移転を受けたりした企業、現役の学生や教職員が関わる企業などと定義されている。同調査は、経済社会にイノベーションをもたらす担い手として期待される大学発ベンチャーの設立状況、事業環境やニーズなどを調査・分析したもので、今後の政策展開に活用するため実施している。
今回の調査結果によると、2023年10月時点での大学発ベンチャー数は4288社と、22年度に確認された3782社から506社増加し、企業数、増加数ともに過去最高を記録した。業種別では「その他サービス」を除き、「IT(アプリケーション、ソフトウエア)」(1338社)が最も多く、次いで「バイオ・ヘルスケア・医療機器」(1240社)。定義別では研究成果ベンチャー(49%)が最も多く、次点が学生ベンチャー(27%)となった。
大学発ベンチャー数を大学別に見ると、前年に引き続き東京大学が420社(22年度より50社増加)で最多。次いで慶應義塾大学291社(同55社増)、京都大学273社(同9社増)、大阪大学252社(同61社増)、筑波大学236社(同19社増)の順となっている。増加数で見ると、慶應義塾大学や東京理科大学(191社、同40社増)などの私立大学が躍進する結果となった。
大学発ベンチャーにおける経営人材(CEO)の最終経歴は、「大学・公的研究機関の教職員・研究者」が最も多く、CEOの博士経歴の有無は「博士経歴がある」が36%となっている。
詳細は、https://www.meti.go.jp/press/2024/05/20240515001/20240515001.htmlを参照。
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