ヨーロッパのある建築会社の現場で、同じ仕事をしている労働者に「何をしているのか」を尋ねたところ、Aさんは「レンガを積んでいるんだよ。つまらない仕事だよ」と答え、Bさんは「生活のためにレンガを積んでいるんだよ」と疲れたため息をつき、最後にCさんは「歴史的な大聖堂をつくっているんだよ。みんなのために仕事をしているんだ」と答えました。レンガ積みは高収入とはいえず、過酷な仕事です。しかし、Cさんは胸を張って笑顔で答えたそうで、仕事の認識は、考え方によってこれほどの違いがあるのです。
これは、「3人のレンガ職人」という有名な寓話(ぐうわ)から引用しました。日本では敗戦から立ち上がる中、ほとんどの人が生活のためだけに働いた時期があります。しかし、今は違います。仕事に意味や価値、喜びがないと、働く人は自分の貴重な時間を、そこに費やそうとは思わない時代です。仕事の意味、目的、社会的影響などをきちんと伝え、それを認識させることが大事なのです。
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