ヨーロッパのある建築会社の現場で、同じ仕事をしている労働者に「何をしているのか」を尋ねたところ、Aさんは「レンガを積んでいるんだよ。つまらない仕事だよ」と答え、Bさんは「生活のためにレンガを積んでいるんだよ」と疲れたため息をつき、最後にCさんは「歴史的な大聖堂をつくっているんだよ。みんなのために仕事をしているんだ」と答えました。レンガ積みは高収入とはいえず、過酷な仕事です。しかし、Cさんは胸を張って笑顔で答えたそうで、仕事の認識は、考え方によってこれほどの違いがあるのです。
これは、「3人のレンガ職人」という有名な寓話(ぐうわ)から引用しました。日本では敗戦から立ち上がる中、ほとんどの人が生活のためだけに働いた時期があります。しかし、今は違います。仕事に意味や価値、喜びがないと、働く人は自分の貴重な時間を、そこに費やそうとは思わない時代です。仕事の意味、目的、社会的影響などをきちんと伝え、それを認識させることが大事なのです。
私が船井総研に入社した時は、ノウハウを身に付けたら3年で辞めようと思っていました。私はその目的を達成するため、本気で仕事をしました。3年たってみると、多くのクライアントが私に感謝してくださっていたのです。
当時、親と意見が合わずに36歳で実家を出てみると、知り合いは全て実家がらみだったため付き合いたくなく、船井総研でも中途入社の上に出張が多かったので、同僚と仲良くなることもあまりない3年間でした。仕事に打ち込んだ結果として指導先の業績が上がり、お客さまが私を頼り、必要としてくれたのです。その頃初めて、コンサルタントはクライアントに感謝される仕事であることを実感しました。
自分が必要とされることの喜び、これは私に予想外の感情を生み出し、その後の人生が変わりました。3年で会社を辞めることなく、コンサルタントを続けました。そして52歳で社長になる頃には、36歳以前とは人生の目的がすっかり変わっていたのです。
恥ずかしながら若い頃の私の夢は、実家の事業を大きくして売却し、足腰が強いうちに世界のゴルフ場を回りたい、というものでした。しかし気が付いてみると、クライアントのため、会社のため、社員のため、創業者の舩井幸雄氏のため、それが私の喜びになっていました。
お金の多寡ではありません。人は充実した人生を歩むために、誇れる目的を持ちたいものです。社員の皆さんが、自分は価値のある仕事をしているんだと胸を張れるよう、事あるごとに仕事の値打ちや意味を伝えるようになさってください。
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