日本政策金融公庫(日本公庫)は9月30日、「インバウンド対応に関するアンケート調査結果(生活衛生関係営業の景気動向等調査特別調査結果2024年4~6月期)」を公表した。同調査結果によると、外国人観光客の利用がある店舗・施設は全体の4割強で、前回の19年調査より増加。外国語対応の課題はあるものの、外国人観光客を受け入れる方針の企業は67・5%に上った。
同調査は6月中旬、生活衛生関係営業者(飲食業、食肉・食鳥肉販売業、理容・美容業、映画館、ホテル・旅館業、公衆浴場業、クリーニング業など)3290企業を対象に郵送形式で実施。3158企業から回答を得た(回答率96.0%)。
同調査によると、1年前と比べ自店の周辺地域で見かける外国人観光客が「増えた」(「かなり増えた」「やや増えた」の合計)と回答した企業の割合は32.2%。外国人観光客の利用の有無については、「利用がある」と回答した企業割合は41.8%となり、前回19年調査の38.3%から3.5ポイント上昇した。業種別ではホテル・旅館業が88.4%と最も高く、次いで公衆浴場業(61.5%)、飲食業(57.0%)の順となった。
外国人観光客を受け入れるための取り組みを「実施している」と回答した企業割合は26.0%。外国人観光客の受け入れに効果のあった取り組みは「キャッシュレス決済の導入」が45.4%と最も高く、次いで「Wi―Fiなどインターネット接続環境の整備」(23.9%)、「メニューや施設内の案内などの工夫」(21.0%)の順となった。
外国人観光客の受け入れ方針については、「積極的に受け入れていきたい」(5.8%)と「自然体で受け入れていく」(61.7%)を合わせて67.5%に上った。「できれば受け入れたくない」との回答(32.6%)は19年調査(43.6%)より減少している。
外国人観光客を受け入れる際の課題は、「店舗内の案内表示、メニュー表などの多言語対応」と回答した企業割合が36.2%と最も高く、次いで「多言語に対応ができる従業員の確保」(25.0%)、「ホームページやSNS、店舗外観における多言語対応」(39.8%)の順となり、19年調査と同様に外国語対応に関する課題が上位を占めた。
一方、外国人観光客を「できれば受け入れたくない」とする理由については、「言語、文化の違いから発生するトラブルを可能な限り回避したい」と回答した企業割合が44.1%と最も高く、次いで「多言語に対応ができる従業員が不足している」(39.8%)、「国内客で売り上げが十分に確保できている」(20.0%)の順となった。
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