出雲商工会議所(島根県)はこのほど、出雲市と民間企業4社が2023年に設立した海外のIT人材を地元企業に紹介するジョイントベンチャー「People Cloud」と業務提携を行い、同社が運営するコワーキングスペース「Izumonomad(イズモノマド)」で25年3月31日まで外国人の起業に関する相談窓口を試験的に設置した。今後、外国人起業家のニーズや課題を把握し、来年度以降の本格的な設置につなげ、多文化共生と地域経済の発展を目指す。
同市には、さまざまな国籍の外国人が約5千人おり、近年は外国人による事業相談も増えている。しかし、在留資格などの条件面や言語、文化の壁など対応しなければならない事柄が多く、同所の現状の体制では十分な対応ができていなかった。今回の相談窓口では多言語を話せるスタッフが多いPeople Cloudが相談を受け付け、同所は共有された相談内容を基に起業支援のメニューや必要な手続きを紹介する。
11月23日には外国人向けの起業に関するセミナーを開催。市内で起業を検討している外国人21人が参加し、すでに窓口での相談申し込みもあった。
同所担当者は「出雲は古くから人と人とがつながる縁結びのまち。その伝統を大切にしつつ、新しい人材やアイデアを受け入れることでさらに豊かな地域を目指す時が来ている。外国人起業家が出雲で活躍し、共に地域を盛り上げる未来を全力でサポートしていきたい」と抱負を述べた。
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