中村商工会議所(高知県)が事務局を務める「四万十つるの里づくりの会」は11月12日、地元の小中学生を迎えて「ツルの自然体験学習会」を開催した。同学習会は2006年の同会設立以来、毎年夏と秋に開催。今回は小学6年生と中学1年生計17人が参加し、四万十市内の休耕田を整備したツルのえさ場近くにツルの見守りを呼び掛けるポスターを掲示したほか、ツルの生態や飛来状況について学習した。
また、ツルの模型4体も設置。ツルは模型を仲間と思って降りてくるといい、子どもたちは「今年も多くのツルに来てほしい」と期待を寄せた。
四万十川流域にはかつてツルが飛来したが、現在ツルは鹿児島県出水市に集中して越冬する。環境省などは伝染病などによる絶滅を防ぐため越冬地の分散化を図っており、同市はこの検討地になっている。一方、同所は04年から観光振興策として「ツルが越冬する四万十の自然の再生、観光資源化」を目指しており、市が越冬の検討地となったのを機に行政と連携し、「四万十つるの里づくりの会」を設立。えさ場づくりや学習会をはじめとするPR・啓発活動などを行っている。17、18年には約40年ぶりにツルの越冬が確認されている。
今月7日には市内で「第11回四万十つるの里まつり」を開催。今回初の「ツル観察バスツアー」(先着15人)も実施する予定だ。
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