経済産業省はこのほど、「第三者承継支援総合パッケージ」を策定した。①経営者の売却を促すためのルール整備や官民連携の取り組み、②マッチング時のボトルネック除去や登録事業者数の増加、③マッチング後の各種コスト軽減――の3点を柱として、10年間集中的に第三者承継の支援に取り組む。10年間で60万者の第三者承継の実現を目指す。
中小企業の休廃業・解散件数は増加傾向にある。2018年は4万6千件に上り、13年より1万件以上増加している。経済産業省は、事業承継を促進するため、これまで法人・個人ともに、承継時の税負担を実質ゼロにする「事業承継税制」などの支援策を講じてきた。一方で、後継者未定の中小企業については、これまでの対策では不十分な点があったとして、黒字廃業の可能性のある中小企業の技術・雇用などの経営資源を次世代の意欲ある経営者に承継・集約することを目的に、「第三者承継支援総合パッケージ」を策定した。
「経営者の売却を促すためのルール整備や官民連携の取り組み」については、「事業引継ぎガイドライン」を改訂し、経営者が適正な仲介業者・手数料水準を見極めるための指針を整備する。また、事業引継ぎ支援センターの無料相談体制を抜本強化し、経営者が気軽に相談できる第三者承継の駆け込み寺とする。
「マッチング時のボトルネック除去や登録事業者数の増加」については、「経営者保証ガイドライン」の特則策定により、個人保証の二重取りを原則禁止する。また、「事業引継ぎ支援データベース」を民間事業者にも開放し、スマートフォンのアプリを活用したマッチングなど、簡便な仕組みを提供する。
「マッチング後の各種コスト軽減」については、新社長就任に向けた後継者の教育支援や、事業の選択と集中を促す補助金の創設をはじめ、予算・税・金融支援を充実する。
詳細は、https://www.meti.go.jp/press/2019/12/20191220012/20191220012.htmlを参照。
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