日本政府観光局(JNTO)はこのほど、2019年の訪日外国人旅行者の推計値が18年比2・2%増の3188万2千人で、JNTOが統計を取り始めた1964年以降、最多となったことを公表した。韓国を除く19市場(中国、台湾、香港、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ベトナム、インド、豪州、米国、カナダ、英国、フランス、ドイツ、イタリア、ロシア、スペイン)で過去最高を記録した。
市場別では、中国が959万4千人となり全市場で初めて950万人を超えたほか、英国がラグビーワールドカップ2019日本大会開催期間中の9月と10月に前年同月比80%増を超える伸び率を示し初めて40万人を突破した。
JNTOでは、「東アジア市場については、韓国市場において8月以降訪日外客数が半減する状況が続いているものの、韓国市場を除く3市場は新規就航や増便などによる航空座席供給量の増加もあり前年を上回った。東南アジア市場については主要市場において新規就航や増便などにより航空座席供給量が増加したこともあり年の後半にかけて高い伸びとなり、欧米豪市場については桜やラグビーワールドカップ2019日本大会の開催を契機とした訪日需要の高まりもあり、年間を通じて好調な伸びを示した」と分析している。
赤羽一嘉国土交通大臣は記者会見で、「韓国からの訪日旅行控えや相次ぐ自然災害による影響があったが、その中でも、戦略的なビザ緩和、CIQ体制の充実、交通ネットワークの充実、多言語表記などの受け入れ環境整備、観光資源の磨き上げ、日本政府観光局を中心としたプロモーションなどに取り組んできたことが、こうした成果となって現れたものと認識している」とコメントした。2020年は政府の観光ビジョンに掲げた『訪日外国人旅行者数4000万人』の目標年であり、また、東京オリンピック・パラリンピック競技大会も開催されることから、「こうした絶好の機会を最大限活用し、日本政府観光局を中心に、地域の観光の魅力を世界中に強力かつ戦略的に発信する、『Your Japan2020』キャンペーンを強力に展開し、地域への誘客を進めてまいりたい」と意気込みを示した。
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