ここへ来て、わが国の人口減少・少子高齢化の問題は一段と深刻さを増している。政府は、企業に70歳までの就業機会の確保を努力義務として課したが、人手不足は簡単に解消されないだろう。その解決策の一つとして、移民の受け入れは避けて通れない問題だ。同質性が高いわが国の社会特性を考えると、外国人受け入れ推進は口で言うほど容易ではない。一方、人口問題により、外国人の力を借りずに経済・社会を円滑に運営することも難しくなっている。
移民先進国といわれる米国は、建国当時からさまざまなバックグラウンド、価値観を持つ人を受け入れ、成功のチャンスを与えた。第2次世界大戦後のドイツ、スウェーデンなども、いろいろな問題に直面しながら外国人と自国民の統合に取り組んだ。そうした前例を参考にして、わが国でも移民の問題を真剣に議論すべき時が来ている。
現在、主要先進国の移民・外国人労働者に関する政策は、大きな転換点を迎えている。多くの先進国で、自国民の雇用・所得機会の確保、社会保障を優先すべきとの論調は目立つ。ただ、わが国では、国の想定を上回るペースで外国人労働者が増えている。それだけ労働力不足が深刻ということだろう。法務省によると、2024年末の在留外国人数は376万人、23年末比で35万人増加した。24年末、高度外国人材(専門的な知識や技術を持つ外国人)の認定件数は5万5688件、19年末の2・6倍だ。
