日本商工会議所は5月11日、「2025年度全国商工会議所きらり輝き観光振興大賞」の受賞商工会議所を発表した。大賞には大野商工会議所(福井県)の地域に短期滞在し、地元の文化などを体験する「大野型滞在循環モデル創出事業」が選ばれた。そのほか優秀賞には大阪商工会議所、きらり特別賞には長野、一宮(愛知県)、岡山の各商工会議所、奨励賞には白石商工会議所(宮城県)が選出された。
同賞は地域の個が光り、他の範となる観光振興事業に取り組む商工会議所を顕彰することを目的に08年度から実施している。今回で16回目となる。
今回大賞を受賞した大野商工会議所の「大野型滞在循環モデル創出事業」では、滞在型の観光モデルをつくるため、同所が地域のハブとなり、体験事業者と旅行者をつなぐ仕組みを構築。日常的な営みを価値化する「大野微住(びじゅう)」ブランドを立ち上げた。「微住」とは、1週間、実際に暮らすように旅を楽しむスタイルのこと。旅行者を「地域住民」として迎え、寺社での座禅・写経、神職による講話、しょうゆ蔵での木樽(たる)発酵体験など、地域に根差した本物の文化の体験を通して地域の魅力を感じてもらう。
主なターゲットは台湾や欧米の富裕層で、モニターツアーでは1人当たり約15〜30万円と従来の平均消費額を大幅に上回る高付加価値化を実現した。収益は文化の継承に充てており、観光を通して地域の文化資源を経済価値へと転換させることで、持続性の高い地域経済の循環を構築している点が高く評価された。また、受け入れ人数を制御し、環境と調和する「静かな成長」を志向した点も特徴だ。
