日本・東京商工会議所は4月16日、全国商工会連合会、全国中小企業団体中央会との4団体連名で「最低賃金に関する要望」を取りまとめた。「中小企業・小規模事業者の経営実態を踏まえた政府方針への見直し」など5点を要望項目として掲げている。同22日には日商・東商の小山田隆労働委員長、東商の矢口敏和労働委員長が厚生労働省の長坂康正副大臣を訪ね、要望書を手交。要望の実現を強く働きかけた。
要望書では、現在の政府目標である「2020年代に全国加重平均1500円」について「中小企業・小規模事業者の経営実態から著しく乖離(かいり)している」と指摘。中小企業・小規模事業者団体も含む労使の代表が意見を述べる機会を設け、企業の支払い能力などの実態を十分踏まえた水準に見直すよう求めている。また、最低賃金は労働者の生活を保障するセーフティーネットとして、赤字企業も含めて全ての企業に強制力をもって適用されることから、最低賃金を賃上げ実現の政策手段として用いることは「適切ではない」と断じている。
昨年の地方最低賃金審議会において、近隣県との競争意識などから中央が示した目安を大幅に上回る改定が相次いだ点については「法定3要素(賃金・生計費・支払い能力)に基づく審議の原則をゆがめている」と強い懸念を表明。中小企業の実態と乖離した引き上げは、設備投資の抑制や雇用の喪失などを招き、かえって地域経済の減退を招く恐れがあることから「中央・地方の審議会において、3要素のデータに基づく熟議を徹底すべき」と要請している。
さらに、発効日については企業の準備期間確保などの観点から、少なくとも1月以降を基本としつつ、決定時期と地域の実情を踏まえ適切に設定することなども盛り込んだ。
長坂副大臣は「目標を事業者の皆さまに丸投げしないことが高市内閣の基本的な考え」と述べ、最低賃金を含む政府決定への対応については、今後の消費者物価上昇率や経営状況といった経済動向を踏まえ、夏の成長戦略取りまとめに向けて具体的に検討していく意向を示した。また、法定3要素に基づき公労使で丁寧に議論を積み重ねる重要性についても「この考えを徹底すべき」と応じた。
