政府は4月22日、第4回「日本成長戦略会議」(議長・高市早苗首相)を首相官邸で開催し、分野横断的課題への対応の方向性について議論した。会議に出席した日本商工会議所の小林健会頭は、中東情勢の緊迫化などを踏まえ「地域の中小企業が支える国内外のサプライアビリティなど、変化に強いレジリエントな『強い経済』の構築が必要」と指摘。府省庁横断、多角的な目線でアプローチを進める方策については、今までにない取り組みとの認識を示し、強い期待を寄せた。
小林会頭は、中東情勢の緊迫化を背景にサプライチェーンの目詰まりなど、経済社会の不確実性が高まっていることを指摘した。その上で「成長分野への集中投資に加えて、地域の中小企業が支える国内外のサプライアビリティなど、変化に強いレジリエントな『強い経済』の構築が必要」と訴えた。
また、前回の会議で政府が示した戦略17分野の「縦」の軸と八つの分野横断的課題の「横」の議論については、これまでにない新しい取り組みとして期待感を示した。特に「強い経済」の創出には「戦略17分野のほかに観光や医療、第1次産業など、地域を支える全ての分野への投資拡大を通じた全体の底上げが不可欠」と言及。「分野横断的課題への対応が国内投資を加速する基盤であり、産業構造転換の原動力になる」との見解を述べた。 併せて、政府が提示した「分野横断的課題への施策パッケージ」については、地域や中小企業の「稼ぐ力」の強化にも資するとして「迅速な実行が求められる。商工会議所も総力を挙げて中小企業の成長投資や変革への挑戦を後押ししていく」と前向きな姿勢を示した。
賃上げ環境整備と変形労働時間制の要件見直しを含む労働市場改革については「この2分野においては、日本全体の投資効果底上げに極めて重要」と強調。加えて、成長分野への官民投資を継続するために、市場の信認を担保する経済財政運営が不可欠との考えを表明し「急激な環境変化を想定した政策の優先順位付けや柔軟な変更などの機動的な対応とPDCAを通じたワイズスペンディングの徹底をしてほしい」と政府へ要請した。
高市首相は、会議での議論を踏まえ、各成長戦略分野の担当大臣に対して取り組みを進めるよう指示。労働時間制度の見直しについては、現場の実態や労使双方の立場を十分に踏まえた上で検討を加速させるよう求めた。また、八つの分野横断的な課題に対しては、スタートアップや中堅・中小企業の稼ぐ力の強化など、特に民間企業の投資を引き出す取り組みについては、成長投資として新たな投資枠の対象とすることなど、思い切った具体策を検討するよう要請した。
