日本・東京商工会議所は4月16日、「知的財産政策に関する重点要望」を取りまとめ、公表した。また同月23日には、日商の宗像直子知的財産専門委員長らが特許庁の河西康之長官を訪ね、要望書を手交。宗像委員長は、「日本でも公共調達などにおいて、研究開発の初期段階から知財や標準化を組み込み、その費用を適正に価格に反映できる仕組みをつくるべき」と主張した。これに対し河西長官は「国が支援する研究開発投資において、事前調査や権利取得などの適切な知財管理を新たなルールとして組み込むことを検討していく」と前向きな姿勢を見せた。
要望書では、「成長型経済」の実現に向け重要な局面にあるわが国において、中小企業の「稼ぐ力」の源泉である「知的財産」の創造・活用・保護により、付加価値向上につなげていく必要があると指摘。また、政府が進める戦略分野への投資や研究開発の強化に際し、サプライチェーンを支える中小企業の知財を適切に保護・活用し、供給網全体の中で不可欠な役割を確保することの重要性を主張した。
こうした基本認識の下、最重点要望項目として、①知的財産の創造・活用促進に向けた財政措置の拡充②「知財経営支援ネットワーク」を活用した知的財産の重要性に関する普及啓発③知財侵害抑止の強化に向けた指針・制度策定の検討――の3点を提示した。
①では、中小企業の「稼ぐ力」を強化する観点から、中小企業庁をはじめ政府全体として中小企業の知財活用支援に関する十分な予算措置の実施を提案。加えて、戦略分野を担う中小企業に対する知的財産権の取得費用の補助・IPランドスケープによる支援の実施、防衛調達をはじめとする国の調達における知財が適切に契約額に反映される制度的対応を求めた。
②では、商工会議所の調査で中小企業の約35%が国や支援機関などが実施する知財関連施策について「知っているものはない」と回答したことを踏まえ、各地域や中小企業の課題・ニーズに沿った各種施策事業・プログラムなどの策定、さらなる普及・啓発の必要性を主張。
③では、取引上の優越的地位の乱用などによる知財の不当搾取が散見されるなど、知的財産侵害の抑止効果が不十分な現状を踏まえ、故意・悪質な権利侵害の根絶に向けた侵害者に対する制裁だけでなく、知的財産権などの不当な吸い上げなど、将来における取引環境の整備に資する指針を速やかに策定することを求めた。
